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 小田急電鉄は11月2日、セールスフォース・ドットコムのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Force.com」を活用して、設備の保険管理システムを構築したと発表した。「開発期間はわずか1~2カ月。自社でサーバーやパッケージ・ソフトを導入する場合に比べ、導入コストは3分の1で済んだ」と、管財部の藤澤伸次課長代理はPaaSを採用した利点を強調する。

 保険管理システムでは、車輌や鉄道設備、信号機や券売機といった鉄道にかかわる約3000件の損害保険を管理する。データベースやアプリケーション・サーバーなどのプラットフォームを月額課金で利用できるセールスフォースのサービス「Force.com」上に、資産管理や保険台帳管理、保険明細管理のアプリケーションを構築した。

 保険管理システムを会計システムと連動させることで、保険料の振り替え処理も自動化できた。同社では保険料を毎月、各事業部門に振り替えて経理処理をしているが、これまでは振替伝票を手作業で発行していた。ピーク時は1日に数百枚の伝票を起票しなければならず、振替処理だけで数日かかることも珍しくなかった。

 ユーザー・インタフェースとしてExcelを採用している点も、同社の保険管理システムの特徴だ。セールフォースが公開しているAPIを使うことで、Force.com上で稼働する保険明細管理などのアプリケーションをクライアントPCのExcelと連携できるようにした。新システムの操作方法をユーザーに教育する必要がないため、「すぐに新システムに切り替えられた」(同)。

 同社はこれまで、複数のExcelファイルを用いて資産ごとの損保契約を管理していた。各駅や拠点ごとの申請を基に、本社の管財部門が保険金を請求したり、1年ごとに契約を更新していたため、「迅速に対応できなかった」(同)。現在はまだ、本社しか新システムを利用していないが、近々に各駅や拠点からデータを入力・参照できるようにすることで、保険管理業務のさらなる迅速化を図る計画だ。