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野村證券の明石竜一・国内IT戦略部フロントIT開発二課長(上)、近藤靖広ほっとダイレクト部企画課長(中)、松野秀人営業企画部次長兼リテール戦略課長(下)
野村證券の明石竜一・国内IT戦略部フロントIT開発二課長(上)、近藤靖広ほっとダイレクト部企画課長(中)、松野秀人営業企画部次長兼リテール戦略課長(下)

 野村證券がコールセンターとインターネットで証券サービスを提供する無店舗業態の「ほっとダイレクト」向けの業務システムを刷新した。システム化によって従来の業務プロセスでは必要だった管理職の承認処理を不要にするなどの効率化を図った。

 今回のシステム刷新では大きく、(1)印鑑レス、(2)事務処理のペーパーレス、(3)承認レスという3つの施策を実施した。(1)は、国内の証券業界で初めてワンタイム・パスワード・システムを採用することで、顧客が本人かどうかを認証するための印鑑を不要にしたもの。(2)は、ネット上に口座開設などの申し込み専用ページを用意し、紙の申込書を使ったやり取りなどを大幅に減らした取り組みである。

 さらに興味深いのは(3)の承認レスだ。これは、一部の業務プロセス上で発生していた管理職級の担当者による承認業務を省くための施策。業務プロセスを一つひとつ洗い出し、システムに作り込んだ。

 例えば、従業員持株会の顧客が株式を注文する場合、インサイダー取引に当たらないどうかを確認する必要がある。従来のほっとダイレクトでは、ネット経由では顧客に取引をさせず、電話取引の場合でもオペレーターは処理をいったん中断。管理職が問題ないかを確認して承認する体制を敷いていた。ただ、この体制は「管理職の承認が下りるまで注文処理が停止するため、顧客にとっても当社の業務面でもロスが発生していた」(国内IT戦略部の明石竜一フロントIT開発二課長)。

 新システムでは、インサイダー取引に該当する恐れがある注文が発生すると、オペレーターが操作する端末のディスプレーに、問題がないかを顧客に確認する文章を自動的に表示させるようにした。この文章をオペレーターが読み上げ、顧客に必ず問い合わせる。確認が済んだら画面上のチェックボックスにチェックを入れ、次のステップに進む。このような形にすることで、管理職の承認業務を一切不要にした。

 一連のシステム刷新の効果を精査するのはもう少し先になるが、「一般の問い合わせの受電効率が改善していることを実感している」(近藤靖広ほっとダイレクト部企画課長)と現場部門からは良好な反応が出ている。さらに今後は、ほっとダイレクトのシステム刷新の成果を「一般営業店向けのシステムにも取り入れていきたい」(松野秀人営業企画部次長兼リテール戦略課長)としている。