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オオクシの大串哲史社長(左)と、情報システム子会社であるビューティーコミュニケーションシステムの鈴木陵太郎社長。
オオクシの大串哲史社長(左)と、情報システム子会社であるビューティーコミュニケーションシステムの鈴木陵太郎社長。2人ともかつては美容師として腕を振るったが現在は経営に専念している

 千葉県内で美容院・理容店を展開しているオオクシ(千葉市)の業績が好調だ。2007年6月期の売上高は3億3600万円で5年連続の増収、経常利益は1100万円で収益性も年々向上している。12店舗で総来店客数は21万人。同社は「HAIR COLOR FACTORY」「Cut Only Club」などの複数の業態を直営しているが、共通する強みは従業員のスキルの向上・均一化を図るCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)システムの活用にある。

 通常、CRMシステムはそれぞれの顧客に合ったサービスを展開することで顧客満足度を引き上げたり、ダイレクトメールを送るなど来店や購入を促進したり、といったことが目的だ。当然、住所や電話番号などの属性が必要になってくる。

 しかし、オオクシではこうした属性の取得には熱心でない。同社のポイントカードは割り引きはつくものの、氏名や住所の記入は必須ではない。大切なのは同じ客が6カ月以内に再び訪れる「再来店率」だという。

 オオクシはこの数字から従業員のスキルを導き出している。レジでの精算時にはロングやショートといったカットの種類を打ち込むので、「Aという美容師が30代前半の女性のロングのカットを担当したときの再来店率」といった数字が分かる。

 この再来店率は、従業員ごとの年齢やカットの種類ごとの強み・弱みということになる。店ごとや従業員ごとに数字が低い世代やカットを重点的に改善している。この1年で平均10%近く再来店率を引き上げることができた。

 大串哲史社長は、「当初はカルテを作って顧客ごとにデータを収集しようともしたが、スタッフの成長を促す仕掛けという意味では再来店率だけで十分と気づいた」と話す。

 再来店率の分析に使うPOS(販売時点情報管理)システムは同社がITベンダーと共同で開発したものだ。オオクシではほかに顧客のアンケートをデータベース化するなどの取り組みにも注力しており、現場に負担がかからない仕組みでPDCA(計画‐実行‐検証‐見直し)を回していくことを目指している。