東京大学はIAサーバーで構築するクラスタ型のスーパーコンピュータを導入する。2008年1月の稼働を目指している。
ハードには日本SGIのスパコン「SGI Altix XE210」を140ノード導入。インテルのクワッドコアXeonプロセサ「5300番台」を合計で280個搭載しており、コアの総数は1120個だ。
Xeonプロセサ1コア当たりの実効性能は12ギガFLOPSで、システム全体での性能は約13テラFLOPSになる。これは世界で稼働中のスパコン性能を集計しているTOP500で65位に当たる。
ストレージは、フロントエンドに日本IBMのUNIXサーバー「System p520」を4台置いてファイル・システムを管理し、バックエンドに米データ・ダイレクト・ネットワークスのディスク・システムを配置。ファイル入出力の高速化と大容量化を両立させた。ストレージの容量は1.25ペタバイトである。スパコンのノード間やストレージ・システムとの接続には伝送速度が1Gビット/秒のイーサネットを利用している。
システムを設置するのは、宇宙線の観測と分析・研究に取り組む宇宙線研究所(千葉県柏市)。同研究所が扱う1日当たりのデータ量は数百ギガバイトに達する。年々増加するデータを扱うため、高性能なスパコンと大容量のストレージが必要となったことが導入の理由である。
今回のスパコンは日本SGIがシステムの設計・構築から運用まで受注している。受注額は5億円前後とみられる。