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 太陽生命保険(東京都港区)が2007年4月から取り組んできた顧客の声を生かした業務改善活動が軌道に乗りだした。同年3月にテキストマイニングソフトを導入して同社に届く声をよりきめ細かく分析するとともに、複数部門にまたがる問題解決が進むように社長直轄のプロジェクト「全社改善キャンペーン」を展開してきた。

 同社には、顧客からの問い合わせや苦情が2006年の実績で年間8000件届いたという。これほどの情報を従来はお客様相談室の担当者4人が手分けして整理していた。そこでクオリカ(東京都江東区)が販売するテキストマイニングツール「VextMiner」を導入して分類作業を省力化した。

 同時に分類方法も従来よりきめ細かくした。従来は生命保険協会の分類方法に従い大まかな分類しか行っていなかった。同協会が加盟各社に届いた苦情を定期的に集計するために使う「契約」「給付」といった分類項目に従っていた。

 だが「解約手続」の項目で苦情が増えたといったような分析をするだけでは、現場で問題解決の気運は盛り上がりにくい。顧客の声を問題解決に結びつけるには、分類が漠然とし過ぎていたのだ。

 そこでテキストマイニングツールを活用しながら分類方法を変更した。業務区分ごとに苦情の頻出語を選び出すようにした。そして、各支社別に業務区分と頻出語でマトリクスを作成して、四半期に1回の割合で配布し始めた。頻出語に基づいた「窓口で挨拶がない」などの具体的な課題を各支社の現場が意識するようになったという。

顧客の声の検討会に社長参加で魂入れる

 情報活用の工夫だけでなく、問題解決の体制も変わった。

 同社では従来から、部門横断的に解決しなければならない問題を話し合う「お客様の声協議会」を設置して解決に取り組んでいたが、部長クラスの参加率が悪いなどうまく機能していなかった。

 そこで2007年4月から大石勝郎社長が音頭を取って全社改善キャンペーンを開始。社長ら経営幹部も率先して参加するようにし、各部門の担当部長も全員参加させたことで、管理職層の問題意識を高めることができた。同協議会は四半期ごとに開催している。

 また、現場の改善活動にもスポットライトを当てるようにした。お客様相談室が定期的に発行している社内報で各支社の改善活動を積極的に取り上げている。

 不払い問題を背景に同社では顧客からの問い合わせや苦情は増加傾向にある。例えば2007年7月~9月の問い合わせ件数は3934件で、前年同期に比べて1.5倍以上に増えた。そのなかで不払い関連の主な課題の1つである「給付支払手続き」という項目は、今年になって703件(4月~6月)から401件(7月~9月)へと半分近く問い合わせを減らすことができたという。

 同社お客様相談室の松島智恵担当課長は「一つひとつの苦情の裏にある様々な問題を組織的に共有する仕組みが整ってきた」と顧客の声を生かす体制に手応えを感じ始めている。