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 スイッチやタッチパネルなどの製造・販売を手がける日本開閉器工業は現在,基幹業務システムの運用改善を進めている。運用改善では,ユーザーのデータ入力のルールを含めた見直しを図っており,2008年3月をメドに終わらせる予定だ。

 現行の基幹業務システムは1年半の開発期間を経て2006年10月に稼働した。日本オラクルのERPパッケージ「JD Edwards EnterpriseOne」が持つ会計,流通,製造の各モジュールを基に開発し,ビックバン方式で導入した。

 ところが稼働後,ユーザーによるデータ入力の不整合など,運用面で様々な課題が出てきた。例えば,開発部門のある担当者が製品を試作するために,部品を購入したときのこと。試作品の部品の購入は経費として扱われるので,その担当者は新システムに経費として伝票データを入力した。試作が終わると,その部品を製造に流用することが決まった。製造で利用する部品は,製品の製造原価として扱われるため,本来ならば伝票データを修正する必要がある。しかし,流用した部品の伝票データは経費のままだったため,新システムの処理で製造原価にズレが生じてしまった。

 現行システムでは,開発部門や製造部門などのユーザーが入力した伝票のデータを使って,製造原価を計算している。入力の際,経理部門以外のユーザーは「経費として処理するのか,それとも製造原価として扱うのか」を指定する必要があるため,会計知識が必要になっている。「開発部門や製造部門のユーザーが,会計知識を踏まえてデータを入力しないと,製品の製造原価を正しく把握できない」と,システム開発を担当した大橋宏成氏(取締役)は説明する。

 そこで,日本開閉器工業が運用改善として行っているのが,開発部門や製造部門といった経理部門以外のユーザーに対する会計知識の教育である。現行システム向けのマニュアルの内容を修正するのと併せて実施している。

 具体的には,経理部門の担当者が講師となって,ユーザーを対象にした勉強会を開いている。勉強会では「製品開発の目的で購入した部品は経費として扱う。ただし最終的に在庫として計上される場合は,経費ではなく製造原価になるので,仕掛品として処理する必要がある」といった,会計に関する知識を伝えている。

 「現行システムになってから,担当者は,会計でどのように処理されるのかを意識して,データを入力する必要が出てきた」と大橋氏は説明する。2006年10月以前に利用していた従来システムでは,生産管理や販売管理といったシステムを会計システムとは別に稼働させていた。そのため,生産管理や販売管理システムのユーザーは,特に会計処理を意識せずにデータを入力してもよかった。