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90秒かかった配車時間を75~80秒に

 M&A(企業の合併・買収)により事業規模が拡大し、3年前と比較して運行台数が1500台から3000台に増加している。これに伴い、コールセンターへの配車依頼数も倍増し月間15万件になった。総合営業部営業統括課の金田隆司課長は、「運営コストの面から考えると、これ以上センターの拡大は厳しい」とし、コールセンターの規模を拡大しなくても済むように検討を続けてきた。

 そのために、まず配車を完了するまでにかかる時間の短縮を目指した。これまで配車依頼から完了するまでに約90秒かかっていたが、そのうち約15秒を占めているのが配車センターとタクシー間における情報の通信時間だった。

 顧客から配車依頼を受けるとセンターが、依頼先の周辺にいるタクシーに情報を一斉送信する。タクシーの位置は、GPS(全地球測位システム)によりオペレーターの端末で分かる。対応できるタクシーの運転手が「了解ボタン」を押すと配車が完了する。15秒もかかったのは、タクシーに装着している通信装置が一定時間おきにしか通信しなかったからだ。今回の変更により、運転手がボタンを押したと同時に通信する。これにより、手配が完了するまでの総時間を75~80秒程度にまで短縮できるとみる。

システムの「淡白さ」を改善

 もう1つの策は、オペレーターを介さずに依頼を受け付ける手段を用意することだ。それが自動音声システムと携帯電話のウェブ閲覧機能を活用したものである。コールセンターを増設しなくても配車依頼数の増加に対応する。

 自動音声による受注は、あらかじめ住所や電話番号を登録してある顧客が専用の電話番号にかけると自動的に配車するもの。通話中に配車可能か調べて回答する。

 携帯電話のサービスは、登録地点に加えて、駅名や携帯電話のGPS機能などで場所を指定できる。顧客が指定する場所に対して、システムが1分程度で10分以内に到着できるタクシーがいるかどうか探し出す。配車可能かどうかは、携帯電話のメールに回答する。いずれのサービスも人手を介さずに配車できるものだ。

 2008年2月の本格運用に先立ち、2007年8月から試験運用してきた。その結果、システムとオペレーターとではタクシーの探し方に差がある、という課題が浮き彫りになった。「探し方が淡泊」だと金田課長が表現するように、システムが配車すると一定の範囲内でタクシーが見つからなければ、配車できないと顧客に回答してしまう。つまり、失注である。

 一方、オペレーターは「依頼先の方面に向かっている」といったように、少し範囲を広げるなど配車できるように工夫して探している。住宅地や明け方など台数が少ない場所や時間帯には、システムだと一律の条件で検索してしまうため配車できないケースが目立った。

 そこで配車できる確率を向上させるため、検索範囲の設定を柔軟にするなどの変更に加え、配車完了までの画面数を減らすなど顧客の操作性を向上させて2008年2月から本格運用する。