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雪印乳業の川口昇・商品安全保証室長
雪印乳業の川口昇・商品安全保証室長

 雪印乳業の川口昇・商品安全保証室長は、日本能率協会が12月11日に都内で開催した「2007食の安全・品質マネジメントシンポジウム」で、同社の品質保証に対する取り組みについて講演した。

 川口室長は講演の中で様々な施策を披露したが、興味深かったのは、品質保証についての理解度テストを2003年から毎年6月に実施していることだ。

 理解度テストは食品衛生や関連法規など品質保証に関する基礎知識について問うもので、問題数は全部で50問あるという。基礎知識といいながらも、「私も100点満点はなかなか取れない」(川口室長)。決して易しい問題ばかりではなさそうだ。

 テストを受験するのは社外取締役を含む全役員、全社員。文字通りの全社体制を敷く。しかも社員にとっては理解度テストの成績が昇格条件の一つに定められているため、極めて重要な位置付けといえる。

 毎年6月にテストを実施するのは理由がある。同社は2000年6月、低脂肪乳などで集団食中毒事件を引き起こしてしまった。さらに2002年には子会社の雪印食品における食肉偽装事件が発覚。結果、同年4月に雪印食品は会社解散に追い込まれた。総合乳業メーカーだった雪印乳業も、市乳事業などを切り離した乳製品専業メーカーとしての再出発を余儀なくされた。

 実は食肉偽装事件が発覚した当時、川口室長は雪印乳業の広報担当だった。「朝6時に新聞で事件を知ってすぐに出社し、その日は会社で夜を明かした」と当時の苦い経験を振り返る。一連の事件を風化させないため、毎年6月にテストを実施することにしたという。

 川口室長は講演で、このほかにも同社の品質保証に関する施策を語った。独自の品質保証システム「SQS」(スノーブランド・クオリティ・アシュアランス・システム)を策定。同システムの方針に基づき、(1)情報共有体制の整備と運用、(2)品質確保に必要な設備の導入と補修、(3)社員の教育と訓練――という3つの施策に取り組む。さらに第三者機関の監査を取り入れ、社内だけでなく社外からも一連の施策をチェックする体制で臨んでいることなどを披露した。