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 静岡県庁はWindowsなどのマイクロソフト製品を使って人事・給与システムを再構築し、2007年10月に稼働開始した。従来の人事・給与システムはNEC製メインフレーム上で動いていたが、このうちの人事関連機能をWindowsサーバーに移行し、使い勝手を向上。メインフレームの利用を減らすことで、運用・保守費用の削減も図った。給与計算は、従来通りメインフレームで稼働させている。

 新システムが備える機能は、人事関連のデータ入力や検索、帳票の開発・出力など。データ入力のクライアント・アプリケーションはExcelを使って開発した。帳票開発やデータ分析のアプリケーション開発には、SQL Serverが持つBI(ビジネス・インテリジェンス)機能を利用。ExcelやWebブラウザ上で、帳票を作成したりデータ分析を実行したりできる。

 同庁で情報化を担当する奈良間一博 主幹は、「現場の職員が使い慣れたツールや技術を使うのが基本方針」と話す。現場の職員が抵抗なく利用できるExcelを活用することで、「発生時点データ入力」を可能にした。また、帳票や各種の分析画面の作成も、職員自身である程度できるようにした。

 システム再構築にかかった費用は13億円強。ハードウエアやソフトウエアの価格、開発費用に加えて、2011年度までの保守費用を含んでいる。開発と保守を請け負ったのは静岡情報処理センターである。

 メインフレームの利用縮小で削減できる運用・保守費用は年間4億円。利用部課からのシステム開発要求の予算も、年間で1億6000万円減らせるという。年間のIT関連予算が50億円ほどの静岡県にとって、「とても大きい金額」(奈良間主幹)だ。

 今回の人事・給与システムの再構築は、静岡県が2006年11月に策定した「情報システム最適化基本方針」に沿っている。同方針では、システムの調達や運用を特定ベンダーに依存せず、オープンにしていくことを掲げている。にもかかわらずマイクロソフトという特定ベンダーの製品を使うことについては、「庁内に異論はあった。しかし現時点で最も市場に広く普及しており、対応ハードやソフトの調達に競争原理が働くと考え、採用に踏み切った」(奈良間主幹)。

 Windowsならメインフレームに比べて、サーバー・メーカーやアプリケーション・ベンダーを自由に選べると判断したわけだ。UNIXを利用することも検討したが、費用やベンダーの提案内容がそぐわなかった。Linuxについては、「技術者が不足しており、対象外だった」(奈良間主幹)。

 静岡県は今回の人事・給与システムをリファレンスとして、基幹システムのオープン化を進める。現在は財務会計システムをWindowsへ移行中であり、2009年度に稼働させる予定である。

■変更履歴
記事公開時、開発と保守を請け負ったベンダーの名称が誤っていました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/12/13 15:40]