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 半導体材料メーカーのSUMCOは,佐賀県伊万里市に建設したシリコン・ウェハー生産のための新工場向けに,日本IBMのメインフレーム機「IBM System z9」を採用した生産管理システムを構築した。2008年春の新工場の稼働に合わせてシステムをカットオーバーする。

 SUMCOは,IBM System z9の障害発生率の低さや障害対策機能などを評価し,採用を決めたという。例えば,IBM System z9が備える「並列シスプレックス」機能は,複数の本番システムを冗長構成で稼働させ,障害発生時にその障害システムを切り離すことで,障害の影響を最小限に抑えることができる。また,IBM System z9の持つ仮想化技術を利用することで,処理の負荷を動的に割り振ったり,将来のシステムの増強に柔軟に対応したりできる。

 OSには,IBMのメインフレーム向け独自OS「z/OS」を採用。既存工場のUNIXシステムで稼働している,C言語で開発した生産管理アプリケーションを新システムに移植した。そのアプリケーションで使っているRDBMSの「DB2」や,メッセージ・キューイングの「MQ」などのミドルウエアは,z/OS上でも稼働する。アプリケーションの移植により,システム構築期間の短縮やコスト削減を実現できたという。

 SUMCOは,主力製品である300mmシリコン・ウェハーのグループ全体の生産能力を,2007年12月時点の月産84万5000枚から,2009年6月をめどに月産146万枚に引き上げる計画を発表しており,新工場がその一翼を担う。