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セガ コーポレート統括本部情報システム部の松田雅幸部長(写真右)、大野利行システム開発チームマネージャー(写真左)、IT企画チームの本多秀行氏(写真中央)
セガ コーポレート統括本部情報システム部の松田雅幸部長(写真右)、大野利行システム開発チームマネージャー(写真左)、IT企画チームの本多秀行氏(写真中央)

 セガサミーホールディングス傘下のゲーム会社セガは、伝票処理に利用する支払業務システムの刷新を進めている。「SOA(サービス指向アーキテクチャー)」という新しい手法で開発することにより、ビジネスの展開スピードに即応するシステムの開発を目指している。

 セガサミー・グループは2004年の経営統合後から取り組んできた事業部別再編が2006年までに一段落。各部門の業務フローの標準化を進めるとともに、全社共通の業務システム基盤を導入する体制へと移った。

 従来のセガの業務システムは、パッケージソフトをそのまま利用したものか、「ASP(アクティブ・サーバー・ページ」という技術を使って自前で開発したものを主に使っていた。しかし、パッケージソフトのままでは機能が使いにくい部分が多く、ASPによる自社開発では時間がかかるという課題があった。同社の松田雅幸コーポレート統括本部情報システム部長は、「ビジネスの展開スピードに対応するには、もっと効率的で、しかも柔軟性の高い手法でシステムを開発しなければならない」と考えていた。

 そこで白羽の矢を立てたのがSOAである。SOAはシステムを「サービス」という単位に分解された部品の集まりと考える。一つひとつの部品は「受注」「在庫確認」といった業務プロセスを実現するアプリケーションとなっており、各部品を共通の基盤上で柔軟に連携させてシステムを開発する。

 従来のシステムのように、システムごとに個別にアプリケーションを開発する手間が省けるため、開発期間の短縮が見込める。また、機能変更時などに発生する修正作業も、サービス単位で柔軟に対応できるという特徴がある。その半面、互換性が十分ではなかったなどの事情から、採用する企業は一部にとどまっていた。

従来型手法の半分の工数で開発が可能に

 実績の少ない手法を採用して問題ないかを確認するため、セガは業務要件をまとめた上で、ITベンダーの日本IBMやユーフィットの協力を取りつけ、実証実験に取り組んだ。その結果、基本的な支払い業務に必要な機能であれば、ASPを利用する場合の3分の1程度の工数で開発できることが分かった。一部の部門で必要な拡張機能を加えても、半分の工数で済むことから、SOAの採用に踏み切った。

 実際の開発も、「すべて予定通りに開発が進んでいる。想定以上に順調だ」(松田部長)と手応えを感じている。2007年11月に基本機能の開発を終え、同年12月に本社の一部で新システムを使い始めた。現在は2008年5月を目標に拡張機能を開発中で、これが完了してから本格的に導入する計画だ。

 SOAでシステムを開発すると、今後、ほかのシステムを開発する際も利点がある。支払業務向けに開発した部品の流用が利くからだ。「例えば、上司の承認を得る必要があるデータをメールで送信するプロセスを実現する部品は、稟議(りんぎ)書など他のシステムに流用しやすい」(情報システム部IT企画チームの本多秀行氏)。これにより、システムを開発するスピードをさらに高められると見込んでいる。