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 輸入雑貨の販売を中心にバラエティーショップ「PLAZA(プラザ)」(旧ソニープラザ)を運営するプラザスタイル(東京都港区)は2008年1月、子育て中の母親を対象にしたベビー関連商品の通販サイト「MAMAP(ママップ)」を開設した。同社の店舗は20~40代の女性に特に人気が高いが、その顧客層の真ん中に当たる主に30代の女性は出産の前後になると、身重や育児を理由に店舗から一時的に遠ざかっていく。同社はそのことに問題意識を持っていた。

プラザスタイルが開設したベビー関連商品のネット通販サイト「MAMAP(ママップ)」
プラザスタイルが開設したベビー関連商品のネット通販サイト「MAMAP(ママップ)」
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 そこで「子育てママ」をターゲットにした専用サイトを用意し、自宅にいながらにして引き続きプラザの情報を受け取ったり、プラザが品ぞろえするベビー関連商品を購入できるようにした。こうして顧客の気持ちをつなぎ止めながら、子育てに一区切りがついた時には、今度は親子でプラザに来店してもらうことを狙う。

 MAMAPで取り扱うのは、プラザが得意とする海外から買い付けたベビー関連商品が中心で、早期に500点ほどを品ぞろえし、3年後には3000点を目指す。子育て中のママはどうしても、自分自身の買い物よりも赤ちゃんのための買い物に比重を置かざるを得なくなる。そこでプラザは今後品ぞろえを強化するなかで、後回しにされがちなママ自身の買い物にも力を入れていく考えだ。

女性チームが顧客分析して後発参入

 プラザはMAMAPの開設に先立ち、2007年夏ごろから、社内の10人の女性スタッフで結成した「チームMAMAP」のメンバーと、ウェブインテグレーション事業を手掛けるアイ・エム・ジェイ(IMJ、東京都品川区)が組んで、関東圏で300人規模の顧客調査を実施したり、競合マッピングやSWOT(強み・弱み・機会・脅威)分析による市場ターゲットの選定を続けてきた。

 顧客調査から浮かび上がったのは、子育てに追われるママは「時間がないことや外出しにくいことにストレスを感じていること」や「それでも他人とは違う、自分自身や子供が自己主張できる『自分らしい』商品を求めていること」だった。そこにプラザは目を付け、特徴あるベビー関連の輸入雑貨やセレクト品をネットで提供していくことにした。

 もっとも、課題は山積みだ。既に子育てママをターゲットにした人気の情報提供サイトやコミュニティーサイト、通販サイトは数多く存在するうえ、プラザは単に情報を提供するだけでなく、ネット通販として売り上げを立てていけなければサイトを存続できない。かといって、プラザでしか買えないような個性的な輸入雑貨の買い付けは、まだまだこれからであるのが現状だ。後発の参入であり、ノウハウも不足している自社の「弱み」の克服は始まったばかりだ。「ソニプラブランド」や実店舗を持つ「強み」だけでは、ネットの世界で競合に打ち勝つことはできない。

 しかもプラザは6~7年前から店舗の効率運営を狙って、売り上げへの貢献や商品回転率が低かったベビー関連商品を店頭からかなり撤去してしまっており、代わりに売れ筋の化粧品などの品ぞろえを強化してきた背景がある。そもそも子育てママの足が店舗から遠のく傾向があったのだから、ベビー関連商品を店頭から削ったのは、むしろ当然のことだった。今ではプラザでベビー関連商品を扱う店舗は10店以下に限られ、その売上高は全店規模でも月額で1000万円程度しかない。店舗での商品の取り扱いが少ないだけに、店舗の売れ筋商品をMAMAPに転用するという考えも、初めからあり得ないわけだ。

2008年秋にネット通販全体をてこ入れ

 今後はプラザファンが期待するようなお洒落なベビー関連商品をMAMAPのためにどれだけ仕入れられるかが、サイト運営の成否の大きな分かれ目になりそうだ。まずは「MAMAPで月商数百万円、年商で1億円規模に育て上げたい」(チームMAMAPの畠山響子・e-ビジネス部企画開発課長)という。それはつまり、全店レベルと同等の売り上げをMAMAPだけで稼ぎ出すことを意味する。最初のハードルはいきなり高い。

 MAMAPは畠山課長自身が2006年に産休から復帰した直後に、自身の育児体験を基に企画を出したことがきっかけで始まっている。その時点では既に、会社側はベビー関連商品の縮小を進めていたわけだが、自宅にいる時間が長くなる子育てママへの継続的なアプローチとして、ベビー関連商品をネット通販するアイデアが会社に認められた。

 プラザは同社のネット通販全体のてこ入れとして、2008年秋にサイトの大幅なリニューアルを計画している。そこでサイト全体の中でのMAMAPの位置づけもはっきりさせる予定だ。最初の正念場は、これからの半年間ということになる。