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プロジェクトルームで業務改善の進ちょくを確認し合う3人の専任メンバーたち
プロジェクトルームで業務改善の進ちょくを確認し合う3人の専任メンバーたち
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 「リーガロイヤルホテル」を運営するロイヤルホテルが、2007年9月からトヨタ流の業務改革に取り組んでいる。 

 まずは旗艦ホテルである大阪のリーガロイヤルホテルで、専任メンバーを中心に活動を続けている。人海戦術に頼りがちだった「宴会」の準備や後片づけの作業時間を短縮するのが当面の目標だ。推進体制は、リーガロイヤルホテル(大阪府大阪市)の田附隆・総支配人が改善プロジェクトの委員長を務め、宴会部の次長を含む3人を業務改善の専任メンバーに指名。ホテル内の一室にはプロジェクトルームを用意するなど、かなりな力の入れようだ。
 
 プロジェクトルームの壁には改善活動のロードマップや、改善活動に対する社員の率直な想いを書き込んだ「想いの視える化」シートが張り出され、同ホテルの売り上げの3分の1以上を占める宴会業務の見直しが進む。

円卓のテーブルセットを真っすぐに並べる知恵を出す

 まずは2007年秋から2008年春までの半年間で最初の成果を上げようと活動している。トヨタ流改革の基本である動作分析に従って、宴会の準備作業をビデオ撮影し、作業の無駄をつぶさに発見していく。例えば、宴会に使う円卓に並べるフォークやナイフといったテーブルセットの準備には、「手戻り」の原因になる無駄が散見された。

 ホテル業界では、1日に何度も、宴会のたびにテーブルセットなどを入れ替える作業を「どんでん作業」と呼ぶ。披露宴などが相次ぐシーズンは、新人社員から応援部隊まで借り出して、このどんでん作業の連続になる。

 だが、テーブルセットの作業に慣れていない人が急いでフォークやナイフを並べていくと、角が丸い円卓ではどうしても中央のお皿に対してフォークやナイフが並行にならず、「ハの字」型になってしまう傾向がある。これでは不合格だ。そこで最後に現場監督者が確認して直すのが当たり前だった。

 その確認作業がほとんど必要なくなるよう、改善プロジェクトのメンバーがアイデアを出し合った。お皿の上からかぶせられる大きさの透明な四角いケースを100円ショップで探してきて、そのケースに平行になるようにフォークやナイフを並べてもらうようにした。たったこれだけの工夫で、確認作業は最小限で済むようになった。

 ロイヤルホテルにトヨタ流の改善ノウハウを伝授しているのは、トヨタ自動車とリクルートグループが共同出資するOJTソリューションズ(名古屋市)。ロイヤルホテルは改善プロジェクトの発足に先立つ2007年6月の3日間、OJTソリューションズから「職場診断」を受け、翌7月に診断レポートの結果を聞いて、トヨタ流の導入を決めた。田附総支配人は「メーカーのノウハウを応用した業務改善で無駄な作業を無くし、空いた時間を接客の向上につなげていきたい」と狙いを語る。
 
 既にトヨタ流改善活動はイトーヨーカ堂やあいおい損害保険などの異業種で実績を挙げた例があるが、ホテル業でどこまで改善ノウハウが生きるのか、大きな試金石と言えそうだ。