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 天丼販売の「てんや」などを手がけるテン コーポレーションはPOSシステムを約10年ぶりに刷新する。同社が展開する5業態121店舗に新POSおよび連動するハンディターミナルを2008年7月末までに導入、注文伝票作成から調理指示、会計までの作業を一貫して支援できるようにした。会計のスピードと正確性の向上を目指す。刷新費用は3億5000万円前後とみられる。

 「レストランなどでは当たり前だが、平均20~25坪しかない当社のような業態で、ハンディターミナルを導入するのは珍しい」と、導入を担当した経営企画室の田中雅司 次長は説明する。これまでは手書きの伝票で注文を受け、会計時にPOSレジに金額を入力していた。その手間を省いて会計スピードを向上させる。「会計時に時間がかかる」との不満を払拭し、顧客満足の向上を狙う。

 正確性の向上も期待する。手入力では1日1店舗あたり1件程度の入力漏れは避けられない。客単価が500~700円程度の同社の場合、年間では数千万円単位の損失になっていた。

 電子マネー「Suica」での決済も可能にした。会計スピードと正確性の向上だけでなく、顧客の利便性向上につながる。「当社は首都圏を中心に店舗展開しているため、首都圏で利用者の多いSuicaを選んだ」(田中次長)。

 このほか注文データを電子化して蓄積する仕組みを用意した。これまでは紙の記録を7年間分保管していたので、その分の倉庫代を年間300万円ほど削減できる見通しだ。

 システムは、NECインフロンティアの店舗向けのパッケージ製品「FoodFrontia F1」を採用。同製品は、POSレジ、ハンディターミナル、キッチンプリンタ、本部サーバーなどのハードと、そこで動作するソフトを一体提供する。本部サーバーには、売上管理、マスター管理、電子ジャーナルなどの機能を備える。

 07年10月から新規店舗に対して導入を開始し、08年1月から既存店舗へ展開し始めた。既存店舗への展開は、まずエリアマネージャが所属している18店舗に導入し、そこを中心に近隣の店舗へ拡大させる方法をとった。導入予定の店舗には切り替えの2週間ほど前から練習用にハンディターミナルを配布しておき、店員に操作を慣れさせた。また、各店長の判断で、すでに切り替え済みの店舗に店員を派遣し、実地研修させることを推奨した。

 全店舗への展開後は、導入時には利用していない機能を活用することを視野に入れている。例えば、新システムを使えば、受注から会計までにかかった時間を記録することができる。そのデータを使うことで商品提供までの時間を類推できるので、店舗の改善活動に役立てることを期待する。