国際航空輸送を手掛ける日本貨物航空(NCA)は2008年4月1日、運航管理システム「i-Sky」を稼働した(写真)。同社はこれまで、運航管理業務とシステム運用を全日本空輸(全日空)に委託していた。今後は自社でシステムを運用・管理することで、運航管理に関する費用削減などを狙う。
同社が基幹システムの開発に着手したきっかけは、2005年8月にさかのぼる。当時、NCAの株式を所有していた全日空が株式をすべて手放し、資本関係を解消した。このことから、委託を見直し自立の道を進むことになったという。i-Skyは同社の3大基幹システムの1つで、開発の検討を始めてから約2年半の歳月をかけ構築した。残る2つのシステムのうち、整備業務システム「i-Macs」は07年7月に稼働。残る物運送系のシステムを、来週にも稼働させる予定だ。
i-Skyは、航空事業システム開発を手掛ける米Sabre Airline Solutionsと共同で構築した。開発コストの圧縮や、開発意図を直接伝えスムーズな開発を目指したことから、あえて日本のシステム・インテグレータを仲介しない方法を採用。このため、NCAの情報システム部門の担当者は、ダラスやフェニックスなどにあるSabre社の開発基地へ何度も出向いた。