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多賀事業所のセル生産による組み立て工程。生産性と技能の向上を狙う
多賀事業所のセル生産による組み立て工程。生産性と技能の向上を狙う

 洗濯乾燥機などを製造する日立アプライアンスの多賀事業所(茨城県日立市)は生産改革で成果を上げている。「ユニットエステーベック」と呼ぶ活動だ。関係者が2週間に1回集まり、原価低減やリードタイム短縮を目標に、製品を分解するなどして改善点を探し出している。その結果、ねじの本数の10%削減や標準作業時間の短縮といった効果につながっている。

 組み立て工程ではセル生産を導入。工程間の運搬の無駄を減らすことなどによって、仕掛かり在庫を40%削減した。今年5月にはセル生産ラインを検査工程と近づけるために40メートル移動、さらなるリードタイムの短縮と仕掛かり在庫の削減を目指している。

 多賀事業所では2002年にまず、洗濯機の駆動部の組み立てからセル生産を順次導入し、昨年12月から本体の組み立てにも拡大した。本体の組み立てをセル生産化するに当たり、1人で作業が完結できる人材を育成。ドラム式洗濯機にかかわる約100人の作業員の中から5人を選抜して、単独ですべての工程がこなせるように1カ月かけて訓練した。

派遣作業員からも「マイスター」誕生

 セル生産導入の目的は生産の効率化だけではない。作業員の技能向上も狙っている。ねじ締めやはんだ付けといった作業員の技能を、新人レベルからマイスターと呼ぶ上級まで4段階で区分。1人ですべてを組み立てるには、マイスターの技能を持つ必要がある。第一製造部第三製作課の小嶋忠雄氏は「(マイスターという)目指す姿を作ることによって、作業員のモチベーションを向上させたい」と話す。

 各作業員が設定した自分の目標に対する達成度合いを月1回、公開作業で検証する場も設けた。達成できれば顔写真を掲示し、認定証を授与する。多賀事業所では組み立て工程の作業員の約9割を派遣社員が占めており、既に派遣社員からも1人で組み立てられるマイスターが誕生した。モチベーションを向上させることで、技能と品質の向上を図る。