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6月16日に東京・高田馬場にある営業拠点で開かれたサンシャインミーティングの様子
6月16日に東京・高田馬場にある営業拠点で開かれたサンシャインミーティングの様子。奥の背広の男性が片岡清専務
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 近鉄エクスプレスは2008年5月から、役員が国内90カ所にある拠点を回って、合計で約1100人いる社員と直接対話するランチミーティングを開催している。役員が現場の社員とお昼ご飯を一緒に食べながらダイレクトコミュニケーションを取ることで、経営と現場の距離感を縮めるのが狙いだ。

 社長を除く16人の役員が手分けして現場を回り、2009年3月までに全社員と一度はランチを共にすることを目指す。一度の会合には最大で10人程度の社員を集めるので、人数が多い拠点には役員が2~3度訪問することになる。拠点を訪れる役員は、普段顔を会わせる機会が少ない業務上の担当役員以外の人たちをあえて人選する。

 今回の企画は社内では「サンシャインミーティング」と呼ばれている。サンシャインとは同社が1990年代まで使っていたサービスブランド名で、約10年ぶりに社内的に名称を復活させた。サンシャインミーティングの発案者である松田芳昭副社長は本社勤務が長かったため、以前から意識的に現場に出向く習慣をつけてきたという。その行動をほかの役員にも実践してほしいとの思いから、この昼食会が生まれた。

現場の若手に役員が直接問いかける

 例えば、6月16日の昼に東京・高田馬場にある営業拠点で開かれたミーティングには、総務担当の片岡清専務が参加した。片岡専務はお弁当を食べながら、自身が香港に駐在していた時に中国市場を開拓した苦労話をしたり、同社が2006年11月から段階的に取り組んできた業務効率化のための「タイムマネジメント(TM)運動」について若手社員に意見を求めたりしていた。加えて、2008年3月期まで6期連続で増収増益が続く業績好調の近鉄エクスプレスの近況にも触れ、今期は国内状況が厳しくなることを直接社員に説明した。

 印象的だったのは、若手社員に対し、「仕事だけでは大人になれない。大事なのは自分の感性を磨くことだよ」とアドバイスしていたこと。そこから話題は、本人の写真の趣味や印象に残った書籍にも広がった。現場の社員にとって、担当外の役員とこうした話をする機会はめったにない。

 近鉄エクスプレスはほかにも、役員が毎週交代で社内ブログを書いていく「サンシャインブログ」を5月から同時に始めている。社内ブログも経営と現場をつなぐ1つの手段ととらえている。