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 原油高や運賃値上げによる乗客の減少など、厳しい環境下にあるタクシー業界。東京都内の4月の1台・1日当たり平均営業収入は4万9508円(東京乗用旅客自動車協会調べ)と、前年に比べ約2000円減となった。

 そんななか、同じ東京23区内で平均営業収入が6万1000円のタクシー会社がある。それが、2003年に新規参入したハロートーキョー(東京・江東区)だ。約300人いる乗務員のうち7割が未経験者で、同業者からの転職組は多くない。経験不足を補っているのが2年前に導入した配車システムと、2003年の創業以来導入してきた班長制度だ。IT(情報技術)と深いコミュニケーションによって経験不足を補うことで、高い営業収入に結び付けている。

 まず2年前に導入したのが、GPS(全地球測位システム)を活用した配車システムだ。約20時間の営業時間中に車両がどのような経路を走ったのかをすべて自動で記録している。自動的に日報を作成できるといった業務効率を向上させる効果もあるが、蓄積した情報を基により高い営業収入を稼げるよう分析に利用している。この分析を生かして、まだ営業収入の低い新人の乗務員に対して、どの地域を何時頃通れば良いのかといった研修会を定期的に実施している。

 このシステムの効果を高めているのが、班長制度である。GPSシステムで表示される売り上げ上位者のうち、顧客からの評価も高い優秀な乗務員を選び出して班長に任命。部下を持たせて指導する役割を担わせている。一般にタクシー業界は歩合給の比率が高く、売り上げが見込める場所などのノウハウを教え合う風土がない。ハロートーキョーは班長の手当を支給するといった環境を整えることによって、教え教えられる関係を構築してきた。「乗務員に対して、班長や管理職にもなり得るキャリアプランを示したことはやる気を向上させることにも役立っている」という。

 配車システムの導入で現場が最も変わったのは、終礼が効果的になったことだ。日報などを基に部下の運転内容を確認して指導するほか、未経験の乗務員が感じる悩みなどの相談相手となる。金子昭・取締役業務本部長は「毎日研修会に出ているのと同じ効果が見られる。どうすれば良いサービスを提供できるのかといった議論ができる場にもなっている」と話す。