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写真●はくばくの長澤重俊代表取締役社長(写真右)と小澤栄取締役品質保証本部長(同左)
写真●はくばくの長澤重俊代表取締役社長(写真右)と小澤栄取締役品質保証本部長(同左)

 穀物製品メーカーのはくばく(山梨県増穂町)は品質偽装を起こさない社風を醸成する目的でインナーブランディングと呼ばれる活動に励んでいる。

 インナーブランディングとは、自社のブランド価値に対する従業員の認識を深める活動のこと。従業員に業務への誇りを持たせ、組織の活性化や意識改革につなげる目的で導入するのが一般的である。ただし最近では、「品質偽装を起こさない社風作りに応用できないかと問い合わせてくる企業が増えている」(インナーブランディングに詳しいコンサルタントの甲斐莊正晃氏)。はくばくの取り組みはその先駆けと言える。

 はくばくはこの活動を通じて、品質保証本部が品質管理で取り組むべき課題を2008年1月に策定。「従業員の品質に関連する業務のアクションが全体的に早くなった」(小澤栄取締役品質保証本部長)と、手応えをつかんでいる。

 はくばくがインナーブランディングに注目したきっかけは、2006年に自社のブランド価値を作り出す目的で、「上質な和様」というコンセプトを定めたこと。従業員が業務に取り組む際の基本的な価値観として浸透させ、「品質の高い商品作りを最優先課題とする社内風土を醸成することを狙った」(長澤重俊代表取締役社長)。

 このコンセプトを社内に浸透させる手法として、インナーブランディング活動を始めた。具体的には、上質な和様を達成するために必要な「ブランドミッション」を、各事業部門の全員で話し合って策定した。顧客や取引先がはくばくに期待することは何かを議論しながら、「商品の安全性を科学的根拠とトレーサビリティーで保証し、その情報を顧客に有効に提供でき、顧客の意見・要望を商品・サービスに生かす体制を作る」という内容のミッションを策定した。

 ミッションの内容も重要だが、職場の全員が策定作業に参加すること自体も大きな意味を持つという。「従業員一人ひとりが、自らの業務と商品の品質との関連性を理解し、当事者意識を身に付ける機会になった」(小澤取締役)。こうした意識が身に付けば、「自分が品質をごまかしても問題にはならないだろう」といった安易な考えを起こしにくくなる。

 インナーブランディング活動で成果を上げるには、従業員の積極的な参加が欠かせない。長澤社長は自身の立ち居振る舞いに気を配っているという。「私が品質を疎かにするような態度を取れば、皆がついてこない」(長澤社長)。品質関連の話題を従業員から聞き出す場合には、内容にかかわらず感謝の気持ちで聞く姿勢を心がけている。