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 JFRカード(大阪市、大丸と松坂屋が経営統合して誕生したJ.フロントリテイリングのカード事業会社)が、この3年間でクレジットカードの不正使用被害を半減させることに成功している。

 J.フロントリテイリングとして大丸と松坂屋と統合する以前から旧・大丸クレジットサービスでは不正防止に取り組んできた。2005年に三井住友カードと提携してVISAなどの国際ブランドを付与したことが不正防止に本腰を入れたきっかけという。この時期から1件あたりの不正使用による被害金額が増加していた。

 今回の取り組みで力を入れたのが、クレジットカードの新規申し込みを受け付ける際の審査業務の強化。不正利用の割合が高いのは、郵送で申し込まれたケースだという。JFRカードの吉原誠管理統括部長は「売り場で即時発行する場合には本人確認のための書類は原本を提示してもらえるが、郵送申し込みはコピーで良いため、偽造されているケースが多い。精巧な偽造書類も少なく判断が難しくなっている」と話す。

 特に判断が難しいのが、「スーパーホワイト」と呼ばれるクレジットカードを1枚も発行したことがない申し込み客だ。スーパーホワイトの審査では、シー・アイ・シー(東京都新宿区)などの信用情報機関で他社カードの利用状況を照会するといった手段が使えない。「優良顧客になり得るケースもある一方で、なりすましの危険性も高い」(吉原管理統括部長)。従来は、勤務先や居住年数といった自己申告の情報で判断せざるを得なかった。

 そこでJFRカードでは、申込者が記入した電話番号をもう1段掘り下げて調べることにした。固定電話や携帯電話番号の使用状況を調べ、電話番号が利用中なのか欠番しているのかなどの使用状況と、自己申告の居住年数を突き合わせることにしたのだ。「居住年数を5年と記入していても、電話番号の使用状況が2年しかない」といったミスマッチがある場合は、不正の可能性が高いと判断する。電話番号の使用状況は、情報サービス会社であるクローバー・ネットワーク・コム(東京・渋谷区)の「ドックベル」を採用。ドックベルは電話番号が利用中かどうか毎月更新して7年以上データベースに蓄積しているサービスだ。

 具体的には、まず居住地と引き落とし口座のある金融機関の所在地が離れているといった基本的な審査方法で怪しいとにらんだ申込者について、ドックベルに照会して電話番号なども調べてから、入会を断ったり、利用限度額を最小限にとどめるなどの措置を講じている。JFRカードでは毎月1万件の新規申し込みがあるが、ドックベルに照会して手作業で詳細に審査するケースは約1割あるという。

 2008年3月からは松坂屋のクレジットカードにも同様の審査基準を導入した。松坂屋で発行しているカードは、2010年2月までに新カードへの移行をすすめている。新規入会のほか、同カードから切り替える顧客に対しても大丸同様の審査基準で審査することで不正利用や延滞などによる被害を抑えたい考えだ。