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写真●クオリティ部や営業部などの社員は「バリュー・ストリーム・マップ」を使いながら業務プロセスを議論した
(写真撮影:宮原 一郎)
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 米ゼネラル・エレクトリック(GE)の法人金融部門の日本法人、GEフィナンシャルサービス(東京・中央区)は営業案件のりん議プロセスの改革を進めている。顧客企業からリースなどの引き合いを受けてから、リスクを審査し、顧客に可否を回答するまでの日数を、従来よりも最大で4割以上短縮することが目標だ。現在は業務プロセスの見直しに伴って必要となるシステムを開発中で、完成する10月以降に新体制に移行する。

 GEの法人金融部門の営業担当者にとって、りん議プロセスに多くの時間を要していることは数年来の課題だった。プロセスの標準化が十分ではなく、しかも無駄な業務が多かったからだ。通常の手順では処理できないりん議が月間253件も発生。りん議全体の9割以上を占めていた。社内の業務の流れが複雑で担当者の負担感が大きく、それが時間のかかる原因となっていた。顧客からも「審査のために提出する資料が多い」といった不満が寄せられていたという。

 そこで2007年11月、問題解決の専門部署であるクオリティ部の社員が、営業担当者や関連部門の代表者とともに課題の克服に乗り出した。具体的には、「バリュー・ストリーム・マップ」と呼ぶプロセス図を作成し、案件獲得から承認までのりん議のプロセスにどのような業務があるのかをすべて洗い出した。

 次にこのプロセスを記した“地図”を使って、関連部門とのやり取りが何度も発生するなど、無駄が多い業務を見つけ出した。見つけた業務に対しては「現場担当者に一つひとつ確認し、何が問題となっているのかを徹底的に分析した」(GEフィナンシャルサービスの武蔵充クオリティ本部長兼オペレーション本部長)。

 このような議論を経て、従来は32~45の業務プロセスを処理していたのに対し、決裁責任者以外の関係者から承認を求める合議を減らしたり、複数の業務を一括処理したりすることで8つの業務プロセスを減らせることが分かった。

写真2●GEフィナンシャルサービスの武蔵充クオリティ本部長兼オペレーション本部長
(写真撮影:宮原 一郎)

 業務プロセスの見直しに合わせて、営業担当者が一連のプロセスで操作するツール類も減らすことにした。一般に、多くのツールを操作するのは無駄な時間が発生しやすく、そもそも操作方法の修得にも時間がかかる。従来はCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ツール、電子メール、電話のほか、リース料計算、物件査定などの業務ごとにシステムが存在し、計14種類ものツールを操作しなければならなかったという。

 これを10月以降はリース料計算、物件査定などの各システムをCRMツールに統合する。また、決算書のスキャンのような利益に直結しない作業は、同社が「セールスサポート」と呼ぶスタッフが肩代わりし、営業担当者の業務を減らすことにした。これらの工夫により、営業担当者が利用するツールは3種類に減らせた。

 このようにプロセスの無駄を徹底的に省くことで、引き合いからリスク承認決裁が下りるまでの時間を最大44%縮められる見通しが立った。例外的なりん議も大幅に減らせる見込みだという。