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 化学メーカーのオカモトは2008年8月、性感染症やコンドームについて学べる携帯電話サイト「OKAMOTO SCHOOL」を開設した。サイトのデザインやコンテンツは学校を意識している。例えば、「1限目 歴史」のページではコンドームの起源などが、「2限目 科学」では生産工程を学べるといった感じだ。授業の内容について簡単なテストも用意されており、得点に応じたポイントがユーザーに付与される。100ポイントごとに1円がオカモトから日本エイズストップ基金に寄付される。ほかにも帰宅部やマーケティング研究会といった“課外活動”のページもある。前者はコンドームの販売サイトへのリンクであり、後者はコンドームについてのユーザーへのアンケートになっている。

 オカモトが携帯サイトのページを開設した狙いは主に3つ。1つは性感染病についての啓もう活動。厚生労働省の調べによると、2007年のHIV感染者の報告数は1082人と過去最多であった。医療家庭用品部の岡本邦彦企画課長は「日本は先進諸国で性病患者の数が唯一増加しているというデータもある。正しい知識を持ってもらうための情報発信」と説明する。

 2つ目の狙いは、コンドームという商品の特性と関係する。ドラッグストアやコンビニエンスストアの棚の前で手に取って吟味するのは恥ずかしいと感じる消費者は多く、「消費者が店頭で選定する時間は5~10秒と言われている」(岡本課長)。そのため、パッケージに詳しい商品説明が書かれていてもじっくり読んではもらえない。テレビのCMなどでも商品画像を使えないといった広告に関する規制がある。消費者に情報を発信しづらい商品なのだ。携帯電話のサイトならば、男女問わず幅広くアクセスしてもらえる。

 3つ目は、商品開発のための市場調査。オカモトと消費者の間には、問屋とドラッグストアなどの小売業が存在する。同社にはなかなか消費者の生の声が伝わりにくい。パソコンと違って若年層に高い普及率がある携帯電話を消費者の調査に使うつもりだ。岡本課長は「POS(販売時点情報管理)データではほとんどの購買者が男性とあるが、実際は違う。サイトへのアクセスは今のところ男女比で半々なので、様々な意見を吸収できれば」と話す。