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フォークリフト内に設置した端末でコイルの所在がすぐに分かる
フォークリフト内に設置した端末でコイルの所在がすぐに分かる
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 神戸製鋼の物流部門である神鋼物流(神戸市中央区)が、ICタグの活用法を確立し、適用拠点を広げている。6拠点目の適用として名古屋市の物流センターに2008年10月に導入した。最初に導入したのは2005年で兵庫県尼崎市の物流センターで、これまでに3カ所の直営拠点と2カ所の契約拠点に展開してきた。投資額は総額で約3億円(本誌推定)。

 同社の活用目的は、重量物を取り扱う危険な場所での作業負荷軽減。重さが1トンを超える線材コイルと呼ばれる鋼材を積んだ場所で、出荷要請のあった線状コイルを探し出す作業を不要にするべく、置き場所を確実にデータベースに登録する仕組みをICタグを用いて構築した。出荷指示があったコイルを従来は作業員がコイルの山をよじ登って、コイルの内側の品番メモを目視確認して探し出していた。いったん搬入されたあとに配置換えして伝票と異なる場所に置いてあるケースが多いためだ。

何段目のコイルなのかも把握できる
何段目のコイルなのかも把握できる
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 コイルの内側の目視確認は腰をかがめての作業になり負担感が大きいうえ、足場が悪いので落下の危険があるといった問題があった。このコイルは自動車メーカーのもので、尼崎物流センターでは1万6000平方メートルの保管倉庫に、約10000束の線材コイルを預かっている。

 今回の仕組みでは置き場に約1000の番地を割り振ってICタグを埋め込み、フォークリフトでICタグを読み取ることで位置情報を取得する。導入は、コベルコシステム(神戸市中央区)が担当した。

 具体的には、まず各コイルは入庫前に品種名などをデータベースに登録しておく。次に、フォークリフトで搬入する際に、フォークリフトの稼働部にICタグを検知するセンサーも取り付けておいて、置き場所を自動的に検知してフォークリフト内の端末に記録する。その情報を作業者が確認してデータベースに送信する。置き場所の検知のために、保管倉庫内に番地情報を記録した約1000のICタグを埋め込んである。

 フォークリフトの稼働部に取り付けたセンサーがICタグから場所情報を検出することで、コイルを置いた瞬間の場所を把握する。高さの情報も検知できるので、何段目の高さに置いたのかも自動的に記録できる。
 
 この仕組みにより、出荷作業は作業員がコイルの山によじ登らなくても、フォークリフトの作業者がデータベースから場所を検索できるようになった。よじ登って探し出す作業が不要になった時間を人件費換算すると年間230万円のコスト削減になるという。