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 関東自動車工業は、2008年度中に情報システムの災害対策を強化する。2009年2月に同社の岩手工場にDR(ディザスターリカバリー)サイトを設置し、静岡県裾野市にある主要拠点と二重化を図る。これまでは2週間前のデータを磁気テープに記録して保管していたが、岩手の新システムには夜間バッチでデータ転送して前日までの情報をバックアップする。経理情報に加えて自動車の設計情報などが主な対象になる。今後データ保護の対象を拡大するか検討する。

 今回の取り組みはサーバーやストレージを統合する「全体最適化プロジェクト」の一環。同プロジェクトは2006年から開始し、2012年までに情報インフラの更新時に仮想化技術を導入することでサーバーの台数を削減するもの。2008年7月から導入に向けた設計を行い、同年11月に対象システムの稼働が始まった。

 統合前270台あったサーバーのうち、102台が統合対象になる。新規開発がなく現状のシステム構成のままであれば、2012年に20台程度に絞れる予定だ。「今回のプロジェクトがなければ2012年には102台が倍以上になったかもしれない。(仮想化技術を活用することで)わずか2割のサーバーでまかなえる」(本社・情報センターIT推進部第1システム室の森分清孝室長)と話す。本社・情報センターIT推進部の新倉正道部長は「現状の体制を続けると仮定すれば、30~40%のコスト削減ができる」と効果を見込んでいる。

 全体最適化プロジェクトの一環として、情報システムの運用管理業務を体系的に行うためのガイドラインであるITIL(ITインフラストラクチャー・ライブラリー)を2008年度中に導入することにも併せて取り組み中だ。同社は、2006年8月に神奈川県横須賀市から静岡県裾野市へ本社機能と技術開発部門など主要組織が移転した。裾野市への移転前は、開発や生産など3部門それぞれに情報システム部門があり、各部門の業務で必要なシステムを開発し運用していた。移転に伴い情報システム部門を集約した。

 だがサーバーの統合作業を進めるにあたり、各部門で運用手順が異なることが分かって運用作業の標準化に着手しなければならなくなった。「部門内でも共通のルールがなく、システムごとにばらばらな状態だった」(森分室長)と振り返る。このままでは仮想化技術を導入してもハードウエアの統合もままならないため、ITILを導入して標準化を図ることになった。変更履歴管理などもITILに沿って運用し、サービスレベルの均質化を図りたい考えだ。