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三つのポイント

(1)マルチキャリアでWANを冗長化し,信頼性を向上

(2)オープンソースを活用し,社内ポータルを自社で構築

(3)統合した内線電話網とデータ通信網の分離を検討

 住宅や塩化ビニルパイプなどの資材,接着剤や自動車用の中間膜の製造など20以上の事業を展開する積水化学工業。住宅展示場を含めると,全国の拠点は850カ所にも達する。連結の従業員数は約1万8000人に上る。

 同社が取り扱う製品は20万品目以上あり,業務の幅は広い。写真やCADデータなど,業務で扱う情報量も拡大し続けている。このような多様なビジネスを支えているのが,同社が2005年に構築した社内ネットワーク「SmileNET」である。

 特徴は,安価なブロードバンド回線を活用する一方,マルチキャリアで冗長化して信頼性を高めた点にある(図1)。従来よりもコストを抑えながら,障害による問題の発生を大幅に減らすことに成功した。

図1●マルチキャリアによる冗長化で安定性を確保した積水化学工業のネットワーク<br>拠点の重要度によって,(1)イーサ専用線とBフレッツで2重化,(2)BフレッツとADSLで2重化,(3)BフレッツかADSLだけ,に分けてアクセス回線を構築している。2重化した拠点では,安定性を増すため,NTT系とそれ以外の通信事業者というマルチキャリア環境を実現している点が特徴だ。
図1●マルチキャリアによる冗長化で安定性を確保した積水化学工業のネットワーク
拠点の重要度によって,(1)イーサ専用線とBフレッツで2重化,(2)BフレッツとADSLで2重化,(3)BフレッツかADSLだけ,に分けてアクセス回線を構築している。2重化した拠点では,安定性を増すため,NTT系とそれ以外の通信事業者というマルチキャリア環境を実現している点が特徴だ。
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 同社はこのインフラを活用し,社内の情報ポータルの構築にも取り組んでいる。グループウエアとWebメールによる社内ポータル「Smile」は,オープンソース・ソフトウエアを駆使して自社開発した。社内ニーズに応えて,多くの機能をきめ細かに作り込んでいるのが特徴だ。

NTT系とそれ以外の事業者で冗長化

 SmileNETの最大の特徴は,冗長構成が必要な拠点の中継回線およびアクセス回線について,NTT系とそれ以外の通信事業者というマルチキャリア環境とした点である。

 基幹業務システム用の中継回線にはKDDIの広域イーサネット「KDDI Powerd Ethernet」を採用した。情報系のWANとしてはNTTコミュニケーションズの広域イーサネット「e-VLAN」を選んだ。各拠点間の内線電話のトラフィックも,情報系のWANに統合している。

 工場などの重要拠点のアクセス回線は,KDDIのイーサ専用線とNTT東西のBフレッツで2重化する。グループ会社の各支店などの営業拠点では,BフレッツとソフトバンクBBのADSLサービス「Yahoo!BB」で冗長化している。住宅展示場など改廃が多い拠点では,BフレッツあるいはADSLだけのアクセス回線を採用するのが基本方針だ。