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ビデオ会議でトップの声伝える

 プレゼンスやOffice Communicatorは東京本社と成田市の研究所間でも利用している。本社-研究所間ではこれらに加え,マイクロソフトのWeb会議ソフト「Live Meeting」を使う。

 Live Meetingは今後も拡張する予定で,工場などでの利用を考えているという。また,マイクロソフトが開発する360度のパノラマ映像でビデオ会議ができるカメラ装置「Round Table」の導入も検討している。

 一方で据え置き型のビデオ会議システムも導入している。「月1回,社長が社員へメッセージを送るといった用途で使っている」(井坂次長)。2005年に現在の社長が就任した際,全拠点へ直接メッセージを使えたいという要望に応えたもので,ポリコム製の機器を全拠点に導入した。

 多拠点で同時にビデオ会議を実施するには,多地点接続ユニット(MCU)が必要となる。同社ではMCUを自社内に設置する代わりに,NTTビズリンクの多地点接続サービスを利用する。これは,NTTビズリンクのビデオ会議専用ネットワークを介して拠点間を結ぶサービスである。

IP-VPNで全拠点を接続

 本社と各拠点はNTTコミュニケーションズのIP-VPNサービス「Arcstar IP-VPN」で接続。エスエス製薬のWANは同IP-VPNを中心に本社と全国18拠点がつながる。アクセス回線にはイーサネット専用線やBフレッツ,メガデータネッツ,ADSLを採用。拠点間の内線通話にはNTTコミュニケーションズのIP電話サービス「.Phone IP Centrex」を利用中だ。

 WANは2重化の実現が今後の課題である。現在はバックアップとしてISDNを使っているが,障害発生時にはやや心許ないという。

IMやボイス・メールで意思決定のスピードを上げる
山本 範明
山本 範明
エスエス製薬 執行役員 情報システム本部長

 プレゼンスやIM,ボイス・メールを導入したのは,意思決定のスピードを上げるためだ。例えば,あるプロジェクトでこれまで1日1往復のコミュニケーションだったものを,1日3往復にできれば,意思決定までの時間は確実に短縮する。

 従業員は電話のような音声の同期型ツールと,メールのような文字の非同期型ツールに加え,IMという同期型と非同期型の中間程度のツール,そしてボイス・メールという音声の非同期型ツールも使える。つまり,コミュニケーションの手段が増え,プレゼンスを見ながら常に最適なツールを選択できる。実際,体感的にコミュニケーションの効率はかなり上がっている。

 プレゼンスは他社ではあまり使われていないようだが,それはビジネス上の価値を社内で説明しにくいからだろう。投資額に対するコスト削減効果などの数値を求められると少し苦しい。

 弊社の場合は本社移転があったのでそれに併せて導入できた。経営会議でも「こういう機能を入れます」と説明し,必ず社内のコミュニケーション効率が良くなると言い切った。

 コミュニケーション・ツールという点では,今年前半にスマートフォンも評価した。社外に出ることが多いマーケティングやセールス部門で使うためだ。ただ,現時点では性能や機能が中途半端に思えた。そのため,まだ導入するには時期尚早と判断した。パソコンで動いている受注用の業務アプリケーションをスマートフォン上で動かせないかと考えたが,受注時には複雑なルールがある。それらをスマートフォン上のアプリケーションに実装するのは難しかった。

 営業担当者は3Gカードとノート・パソコンを持ち歩いている。将来的に無線データ通信の速度はまだまだ上がりそうだ。そうなるとノート・パソコンで使うアプリケーション自体を変えていく必要があるだろう。ただ,どのように変えるのかはまだ分からない。

 今後は,親会社の独ベーリンガーインゲルハイムのITインフラやアプリケーション資産を活用したい。具体的には,親会社のサーバーで動くアプリケーションの利用を増やすとか,場合によってはデータ・センターの統合もあり得る。親会社はグローバルでIT要員が1300人もいる。利用できるところは利用したいと考えている。