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三つのポイント

(1)専用線を広域イーサネットに刷新。速度当たりのコストを大幅削減

(2)WAN構成と社内システムの両面でセキュリティに配慮

(3)4段階のQoSでマルチメディア系データのトラフィックを制御

 複合機などの製造・販売大手である富士ゼロックスは,国内に4事業所,2研究所,約300カ所の販売拠点を構える。連結従業員数は約4万人,売り上げは約1兆2000億円にのぼる。関連会社である米ゼロックスのパロアルト研究所は,“イーサネット発祥の地”。富士ゼロックスでも,「昔から社内のネットワーク化に力を入れてきた」(情報通信システム部の宮下清部長)。

 現在,同社は,(1)新サービスを積極的に取り入れてネットワークの速度やコストを改善,(2)セキュリティを保ちつつ利便性を向上させるため,モバイル環境の強化や,全社での認証システムの統一,サーバー側への文書の集約などを実行,(3)音声,画像,動画といったマルチメディア・コンテンツを統合して扱う──といった三つをテーマにネットワークを構築している。

独自仕様からTCP/IPに“一歩後退”

 これらの取り組みが目指すところは,「セキュアな環境で,どこでも場所にとらわれず,自分の環境で仕事ができる」(宮下部長)状態だという。

 実は1980年代の富士ゼロックスでは,こうした環境がある程度実現できていた。当時,同社はXINS(xerox information network system)と呼ばれる独自のネットワーク・サービスを構築していた(図1左)。XINSでは,XNS(xerox network system)という独自のプロトコル群と,自社開発のワークステーション「J-Star」を組み合わせて使っていたという。

図1●コストと柔軟性を重視し,専用線から広域イーサへ<br>以前は大型拠点を中心に,各支店/営業所をメッシュ型に接続していたが,2002年に通信コスト削減やネットワーク設計の柔軟性向上を目指して広域イーサネット・サービスに乗り換えた。接続拠点が増え,増速しているためコストは一概に比較できないが,同じ金額当たりで考えると,約10倍の速度で通信できるようになったという。
図1●コストと柔軟性を重視し,専用線から広域イーサへ
以前は大型拠点を中心に,各支店/営業所をメッシュ型に接続していたが,2002年に通信コスト削減やネットワーク設計の柔軟性向上を目指して広域イーサネット・サービスに乗り換えた。接続拠点が増え,増速しているためコストは一概に比較できないが,同じ金額当たりで考えると,約10倍の速度で通信できるようになったという。
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 XNSにはActive Directoryに似た認証・管理システムや,「サーバーに格納されたデスクトップ環境を,ネットワーク越しに社内のどの端末からも利用できる機能があった」(宮下部長)。まさに,「セキュアな状態で,場所にとらわれず自分の仕事ができる」状態をある程度実現できていたことになる。

 だが,1994年ころからインターネットが普及し,TCP/IPが事実上の標準となった。そのため,他社とのやり取りの都合上,富士ゼロックスもXNSからTCP/IPへ移行した。移行直後は,以前XNS上で利用していた機能をそのまま使うことができず,「利便性という点では,むしろ一歩後退した感じだった」(宮下部長)という。