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三つのポイント

(1)事業所の規模や関連拠点によって複数のネットワークを利用

(2)PBXを継続利用して投資を抑えIPセントレックス・サービスに接続

(3)PHSのFMCサービスを導入して構内と外出先の音声通話を定額に

 住友電気工業(以下,住友電工)の事業領域は,中心となる銅電線の製造のほか,光ファイバなど情報通信,自動車部品のようなエレクトロニクス分野と幅広い。海外に30カ国以上の拠点を置き,国内外を合わせた関連会社は300以上。連結の従業員数は2008年3月末時点で15万3725人である。

 同社の業務を支える社内ネットワークについては,システム構築からセキュリティの確保まで,自社内で技術者を養成する方針を採る。メーカーとして各種製品の製造や生産に関わる技術を蓄積するのと同様,社内の情報システム向けでも技術を蓄積し,理想とするネットワークを自ら企画・構築することが企業競争力になるという考えに基づいている。

NTT系とKDDIの網で冗長化

 その方針の下,同社は利用実態に合わせた社内ネットワークを構築してきた。1985年には音声とデータを統合したデジタル回線のネットワークを構築。その後,90年代前半にホスト・コンピュータで運営していたシステムを,IPネットワークによるLAN間接続に切り替えたころから,徐々にトラフィックが増大した。帯域の拡大が必要となり,2000年にATM専用線を使ってネットワーク全体を刷新した。

 ATM専用線の通信速度は,音声とデータを合わせて5Mビット/秒程度。導入当初は実用に堪える帯域があったが,「IP化によるデータの増大が想定以上」(情報システム部 伊丹情報システムグループ 衞藤博史グループ長)だった。そのため,2年後の2002年に音声系とデータ系を分離した新ネットワークの構築を進めた(図1)。

図1●マルチキャリアで大規模拠点の冗長性を確保<br>大規模拠点とサーバー・センターの通信にはNTTコミュニケーションズの「e-VLAN」を利用。中小拠点間の通信はKDDIの「Ether-VPN」を使う。海外や国内の関連会社とは主にIP-VPNで接続している。
図1●マルチキャリアで大規模拠点の冗長性を確保
大規模拠点とサーバー・センターの通信にはNTTコミュニケーションズの「e-VLAN」を利用。中小拠点間の通信はKDDIの「Ether-VPN」を使う。海外や国内の関連会社とは主にIP-VPNで接続している。
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 短い期間でネットワークの刷新に至ってしまったことを踏まえ,新ネットワークでは大容量,低価格,信頼性の確保を目指し,慎重に検討を進めた。最終的には,工場がある地方でのサービスのカバー率が高く,郊外の拠点でも十分な帯域が確保できることを念頭に置いて,NTTコミュニケーションズの広域イーサネット「e-VLAN」とKDDIの「Ether-VPN」を選んだ。