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携帯電話やパソコンに搭載されるコンデンサーなどで高いシェアを持つ村田製作所。製品サイクルの短縮化に対応し、品質管理を強化している。不良品率を3年で20分の1に削減。量産開始時に目標の良品率に達するまでの期間を従来の半年から1カ月以内に短縮するなど成果が出ている。

 CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を実践するうえで活用する手法の1つにデータマイニングがある。購買履歴などをデータウエアハウスに蓄積して、顧客の購買行動を分析したり、関連購買を調べたりする。このデータマイニングを製造現場で品質向上のために活用しているのが、村田製作所だ。全製造工程をまたいで品質管理に必要な情報を収集できるシステムを2001年に稼働させ、ここ数年で成果を上げている。

●全工程を通して改善点を見つけ出せる仕組みを構築
●全工程を通して改善点を見つけ出せる仕組みを構築
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 原材料から製品の組み立てまで、収集・蓄積した全工程の情報を、各工場に設置しているデータベースからすべて検索できるようにした。品質不良などの原因を短期間で突き止められるようにするためだ。例えば、携帯電話に搭載するブルートゥースのモジュール(部品)では、ここ3年間で不良品率が20分の1になるといった成果を上げている。

 村田製作所は携帯電話やノートパソコンで使うセラミックフィルタ・発振子で世界シェア約70%(同社推定)など、主要製品で高いシェアを持つ。強さの源泉として、セラミックスなどの原材料から一貫して製造していることが挙げられる。それゆえに社内の製造工程が多岐にわたるうえ、完成までに複数の製造拠点をまたぐことが多い。

●新製品の比率が30%超に
●新製品の比率が30%超に

 ブルートゥースのモジュールの場合、全国5カ所の製造拠点を仕掛かり品が移動し、242の工程があるといった具合だ。製品不良など品質上の課題が生じた時は、社内の各製造拠点にあるデータベース上の情報を横串を通して調べることで原因を追究する。原材料の情報まで追いかけられるようにトレーサビリティーの環境を構築したことで、データマイニングを生かせるのだ。

 例えばブルートゥースの基盤となるセラミックスは、焼成する際に収縮する性質があるため、収縮のバラツキを抑えることが品質を維持する鍵となる。製造工程での1万3500項目の情報を解析した結果、バラツキの発生は原材料の特性や焼き方などの要因が絡み合っていることが分かった。

生販システム部生販革新2課の奥村幸三課長(左)と下八重修主任(右)
生販システム部生販革新2課の奥村幸三課長(左)と下八重修主任(右)

 さらに解析を進めると、加工工程に原因があることが判明した。原材料に含まれる物質が影響を与えていたのだ。事前にこの物質の含有量の値を測定し、原材料を選別することによって収縮率のバラツキがなくなった。

 こうして解析した結果を基に、原材料を製造する拠点が中心となって改善に取り組んでいる。「因果関係を示すことで改善のための議論ができるようになる。社内だと、ほかの拠点が原因だと言いにくい雰囲気があったが、客観的なデータがあれば話しやすい」と生販システム部生販革新2課の奥村幸三課長は話す。