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 住友信託銀行は2009年1月,営業店統合フロントシステム「i-Ships」を稼働させた。国内の営業拠点63カ所にいる営業部門のユーザーが,顧客に対する資産運用などのコンサルティングを実施する際に利用する。

 新システムは,顧客データベース,勘定系システムなどの既存システムから情報を集め,預金やローンの残高,投資信託の運用実績といった,顧客へのサービス提案に必要な情報を表示する機能を備える。従来は,既存システムそれぞれにアクセスして,顧客情報を閲覧する必要があった。顧客ごとの情報を表示する画面では,「来店の連絡を,事前に電話で受け付けた」といった,顧客応対に関連する情報も表示できるようにした。

 新システムの大きな特徴は,ユーザー・インタフェース(UI)に,米Adobe SystemsのRIA(Rich Internet Application)技術「Adobe AIR」を全面採用したこと。

 Adobe AIRを全面採用したのは,新システムに求められる要件の中に,画面の使い勝手や操作性に関するものが多かったからだ。具体的には,「顧客にコンサルティングする際,PCの画面上に即座に必要な情報を表示させたい」「閲覧頻度の高い情報を常に画面に表示させたり,1アクションで表示させたりできるようにしたい」といった,要件が示された。

 Adobe AIRは初めて採用する技術だったこともあり,開発プロジェクトの初期段階から,プロトタイプを使っての検証を実施。要件定義では,画面のレイアウトや配置の確認だけでなく入力や操作もできるモックアップを作って,UIの設計につなげた。

 また,マウスやキーボードから入力があったときに必要な,イベント制御などの処理を受け持つ独自開発フレームワークを整備。色やサイズなどをあらかじめ設定したUIコンポーネントなどをそろえ,開発生産性の向上を図った。

 開発期間は約1年。システムの企画・検討は,住友信託銀行と情報システム会社の住信情報サービスが,画面とサーバー・アプリケーションの開発は,住信情報サービスとNECが担当した。