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成城石井の原昭彦・執行役員営業本部長

 食品スーパーの成城石井(横浜市)は、小型店の売り場の状況を確認するために、ウェブカメラの設置を進めている。幡ヶ谷店(東京・渋谷区)と越谷イオンレイクタウン店(埼玉県越谷市)に2008年12月に試験的に導入したのを皮切りに、2009年2月にオープンしたオペラシティ店(東京・新宿区)にも設置した。本部の要員が小型店の売り場をカメラでチェックし、改善を支援する狙いである。

 成城石井は最近、売り場面積が100~200平方メートル程度の小型店の出店に力を入れている。前述の3店もこうした小型店だ。このような小型店ではスペースや売り上げ規模の制約から少人数で運営せざるを得ない。このため、各商品の売れ筋や適切な棚割り方法を熟知する専任の担当者を手厚く配置するのが難しいという課題がある。一方で、店舗の売り上げを増やすには欠品を防ぐことはもちろん、「昼は弁当、夜は総菜やサラダといった具合に、1つの売り場で販売する商品を時間帯や曜日に応じて柔軟に変えるなどの施策が必要」(原昭彦・執行役員営業本部長)なのだ。

 だが、こうした施策を少人数できめ細かく実施するのは限界がある。そこで売り場にズーム付きウェブカメラを設置することを思いついた。レジ前のスペースや弁当・総菜類を販売する平台など、商品の売れ行きがよい“一等地”を主体に、本部にいるエリアマネジャーなどがカメラで確認する。欠品を起こしていないかや、時間帯ごとに適切な商品が並んでいるかを確認し、改善が必要であれば店長に指示する。

 従来は、エリアマネジャーが各地の店舗を実際に回って売り場をチェックしていた。遠隔地の店舗では移動時間がかかるので、1日の間に同じスペースで異なる商品を販売するような手法を実施できているかどうかを確認するのは難しかった。

 具体的な数字こそ明かさないものの、本部からの売り場改善を指示することの成果の手応えはつかんでいるという。例えばオペラシティ店では、売り上げ構成比で全体の20%以上を占める弁当や総菜の欠品を防止できた。さらに、商品を1日2回納品し、同じ平台を使って昼間の時間帯は弁当類を、夜間には点心やデザートなどを販売することによって、当初の見込み以上の売り上げを稼ぎ出しているという。

 導入コストは既存店舗に設置する場合で数十万円。新規出店と同時に設置する場合はその半分で済む。3月18日に開店予定の目黒店をはじめ、小型店を新規オープンする際には、ウェブカメラを設置していきたい考えだ。

 今後の課題は本部側の体制整備である。「十数店舗に売り場カメラを設置してチェックすることになると、本部側の業務負荷が高まる」(原執行役員)。専任担当者を用意するか、あるいは負荷が高まりにくいようにシステムを作り込むか、今後検討していく。