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三つのポイント

(1)業務の重要度に合わせたメリハリ・ネットワークを実現

(2)「変化に俊敏」をモットーに,機器・設定を社内で標準化

(3)BCPの観点でセキュリティを強化

 雑誌や教科書,カタログなどの印刷,ICカード,ペットボトル,住宅や自動車の内装材,フィルム,電極材,液晶,パッケージ基板などの製造──。印刷事業から派生した大日本印刷(DNP)の事業分野は多岐にわたる。

 2008年3月期の売上高は約1兆6161億円で5期連続の増収と,会社は成長基調が続いている。全体ではこの2期こそ減益となったが,液晶や有機ELなどエレクトロニクス分野では前期比10%増収,33%増益と堅調な伸びを見せる。しかも事業分野はさらに拡大を続けている。M&A(企業の統合・合併)も珍しくない。

製造業は工場が動いてこそ

 そんなDNPが利用するネットワークの特徴は大きく二つある。一つは,業務上の重要度に合わせて,高速かつ信頼性の高いネットワークと安価なネットワークを使い分けている点。もう一つは,拠点ネットワークの構成をモデル化し,組織の変化などに俊敏に対応できるようにしてある点だ。

 同社が事業を営むうえで「最も重要なのは工場を止めないこと」(小槙達男 取締役情報システム本部担当)である。そのため,同社にとってネットワークは生命線とさえ言える。

 製造業とは言っても,同社には他の製造業とは大きな違いがある。受注生産型であることだ。印刷事業では,印刷するデータを受け取り,指定された紙に印刷し,指定された部数の出版物にする。データの内容はもちろん,紙の種類や部数は印刷物によって異なる。ICカードも表面のプリント内容やカードの種類,格納するデータが顧客によって違うし,ペットボトルや液晶フィルムなども発注元によって仕様はまちまちである。

 受注の際には,印刷物のデジタル・データや,製造する製品の仕様書・設計書などを受け取る。ネットワークが止まってしまうと製造に必要なデータを工場に届けられず,業務が滞ってしまう。

 そこで全国の工場と大規模拠点を軸に,LAN/WANともに2重化した堅固なネットワークを構築した(図1)。約250ある国内外拠点のうち30カ所弱の主要拠点(中継拠点)を,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)の「e-VLAN」とKDDIの「KDDI Powered Ethernet」という2種類の広域イーサネットで接続(全国網)。それ以外の拠点は地域ごとにグループ分けし,コスト重視の別の広域イーサネット・サービスを使って中継拠点につないだ(エリア網)。関連会社を含むDNPグループ全体で約3万7000人の社員がこのネットワークを利用している。

図1●大日本印刷の全社ネットワーク<br>海外を含め約250拠点を広域イーサネットで接続。中継拠点や工場などはWANを2重化してある。新規拠点の設置などの変化に即応できるよう,拠点の規模や扱うデータの種類などに合わせて,LAN/WANの構成やアクセス回線の速度などネットワーク構成の社内標準モデルを定義している。図中の3モデルは例。
図1●大日本印刷の全社ネットワーク
海外を含め約250拠点を広域イーサネットで接続。中継拠点や工場などはWANを2重化してある。新規拠点の設置などの変化に即応できるよう,拠点の規模や扱うデータの種類などに合わせて,LAN/WANの構成やアクセス回線の速度などネットワーク構成の社内標準モデルを定義している。図中の3モデルは例。
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