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 オムロングループの広告宣伝業務を担うオムロン マーケティング(京都市)は、テキストマイニング技術を活用した新規事業を強化している。まず、グループ各社が保有するコールセンターの顧客対応業務を改善するコンサルティング事業を始めた。コールセンターに蓄積された応対履歴データをテキストマイニング技術で解析し、業務改善点を洗い出す。

 このサービスの第1号ユーザーとなったオムロングループの制御機器製造会社は、2008年11月に2000ページに及ぶ製品カタログを更新する際、同社コールセンターの対応履歴を解析してもらい、計68製品で80ページ分の改善をした。その結果、カタログの使い勝手が向上し、対象製品に関するコールセンターへの問い合わせ件数を10%削減することができた。2009~2010年に実施する次回のカタログ更新時にもこのサービスを使う。また、制御機器製造会社で成果を出せたおかげで、2009年2月末までにグループ内の別の14の事業もこのサービスを使うことを決めた。

 オムロン マーケティングがテキストマイニングを実施するために使うソフトウエアは、クオリカ(東京・江東区)の「VextMiner」である(関連記事1関連記事2)。同社は今後、コールセンターの顧客対応分析だけでなく、営業支援システムに蓄積されたテキスト情報を解析することによって営業業務を改善するコンサルティング事業も始める予定だ。グループ各社からのコンサルティングサービスの受託だけで2010年度に1億円の売上げを目指す。

代替機種情報に気づかせ、問い合わせを減らす

 オムロン マーケティングはこれまで、グループ企業からのカタログや広告の制作受注が売上高の大半を占めていた。ところが、「グループ各社の業績が悪化して広告出稿が減ったため、新事業の構築が急務となった」と大西良和代表取締役社長は話す。期待の新事業がテキストマイニング技術を活用したコンサルティングサービスというわけだ。グループ各社が個別にテキストマイニングを実施するのではなくオムロン マーケティングに集約することによって、改善ノウハウを一元的に貯めてグループ各社に横展開することも容易になる。

 実は、前述の制御機器製造会社は2007年度からオムロン マーケティングのコンサルティングサービスを利用してコールセンターの業務改善を続けている。このコールセンターには、1~2年ごとに更新してきた分厚い製品カタログを読んだ人などから年間数十万件の問い合わせがある。「制御機器製造会社のカタログはただの製品紹介のためのものではなく、性能や寸法などの情報を詳しく記載して取扱い説明書代わりにも使えるように作ってある。しかし、実際にはお客様はどう使っているのか。真のニーズを測定したかった」とオムロン マーケティングの横田健第一ビジネス部部長は2008年11月のカタログ改善作業の背景を明かす。

 カタログ改善作業にあたり、例えば生産中止となった機種を使用していた顧客が代替機種の情報にたどり着くことができているかどうかを検証した。コールセンターの対応履歴をテキストマイニング技術で分析したところ、生産中止機種に関する問い合わせが多かったからだ。さらに分析を進めて行くと、総合目次に生産中止機種の案内を記載していたにもかかわらず、顧客はそれに気づかずに欲しい製品群が掲載しているページをいきなり開いていることが分かった。

 そこで、総合目次とは別に各製品群の目次にも生産中止機種を掲載したり、ウェブサイトに掲載している製品へのFAQ(よくある質問集)情報に、代替機種を紹介するなど問合せの多かった内容を反映したりした。

 制御機器製造会社のコールセンターの担当者とともに分析に取り組んだ第一ビジネス部の朝岡あゆみサブリーダは、「担当者に分析結果を見せると、感覚的には改善すべき項目だと気付いていることが多い。定量的な分析結果を示すことで改善を促しやすくなる」と語る。サイト上に約3600件あるFAQ情報のうち、分析結果を反映した情報は閲覧数が高い傾向があり、閲覧数がベスト10に入っているものもある。今後も分析結果をFAQ情報に毎月反映させていく。