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トライアルカンパニーの西川晋二取締役CIO(最高情報責任者)

 九州が地盤のディスカウントストア大手、トライアルカンパニー(福岡市)は、独SAPのERP(統合基幹業務)パッケージを全業務で導入する。まず2009年5月までに財務・会計業務で稼働させ、2010年4月から順次、商品管理、棚割り、受発注、物流などを含む全業務で稼働させる。SAP日本法人によると、小売業で独SAPのERPパッケージを全面的に導入した先行事例は専門店ではヨドバシカメラなどがあるが、生鮮食品や日用雑貨などを扱うディスカウントストア業態では今回が国内初。トライアルは“和製ウォルマート”を目指す成長企業として知られ、2008年3月期の売上高は約1500億円。年率20%前後のペースで急成長している。

 トライアルは、これまでは各種情報システムをほぼ内製してきた。中国に自前の開発拠点を設け、約1000人のIT技術者を雇用している(関連記事)。だが「規模が小さいうちは内製でも良かったが、3年後を考えた時に、自前で大規模システムを開発し続けるのは得策ではない」(西川晋二取締役CIO=最高情報責任者)と判断し、パッケージ活用へ方針転換した。

 ただし、「現状のSAPのパッケージは、日本の小売業の独自のやり方に適合しない」(西川CIO)という。トライアルがERPパッケージに業務を合わせるのではなく、原則として追加開発が必要な業務要件はSAPが小売業向けパッケージ(SAP for Retail)の標準機能として取り込む。西川CIOは2009年1月にSAPの独本社を訪問するなどして、トライアルの業務ノウハウや技術者育成力の価値を認めさせ、包括的提携を結ぶことに成功した。トライアルが実践する商品分野別の売り上げ・経費管理や、これらを確認して売り場を改善するPDCR(プラン・ドゥ・チェック・リカバリー)の手法などが、SAPのパッケージに標準機能として取り込まれる見通しだ。

 SAPは、トライアルの業務プロセスを自社のパッケージに取り込むことで、アジア圏での市場開拓を強化する。小売業向けERPパッケージは、日本や中国などでは導入が進んでいないため、拡販の余地があるという。