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飲食チェーン「PRONTO」の外観。昼間はカフェ、夜はバーとして営業している
飲食チェーン「PRONTO」の外観。昼間はカフェ、夜はバーとして営業している
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 飲食チェーン「PRONTO(プロント)」などを運営するプロントコーポレーション(東京都港区)は2009年4月から全従業員4000人を対象に、業務知識を確認するためのeラーニングを開始した。各自の携帯電話に選択式の問題を毎月20~30問配信し、回答してもらう。

 同社は昼間はカフェで夜はバーになるPRONTOなど、およそ200店舗(2009年4月現在)を運営している。2008年6月から、60カ所の直営店で働く従業員1000人に対して、携帯電話を使ったeラーニングを試行してきた。すると、毎月変更になる店内メニューの中身や、現在実施している販促キャンペーンの内容、苦情対応など、その時々で知っておくべき業務知識を手軽に確認してもらうには携帯電話のeラーニングが有効であると判断できた。

 そこで、FC(フランチャイズチェーン)店を含めた全店にeラーニングを拡大することにした。アルバイト店員の多くは10代後半から20代前半のため、店員教育に携帯電話を利用するのは最も親和性が高いと見ている。

eラーニングの合格率で店長の力量が見える

 同社によれば、主たる人材育成手段はあくまでOJT(職場内訓練)にある。今回のeラーニングを取り仕切る営業本部営業推進部PBSグループの木島祐子マネージャーは「eラーニングは業務知識を再確認してもらうための補助教材に過ぎない。教育の主体は今まで通り、店長からの直接指導だ」と話す。

 ただし、eラーニングの効用はほかにもあるという。携帯電話を使ったeラーニングは「各店長が自店の店員にどこまで伝達事項を浸透させられているのかを確認するツールとして使ったほうが有効である」(木島マネージャー)ことも10カ月近い試行期間で分かった。

 eラーニングの実施率や合格率を個人別だけでなく店舗別に見ることで、各店長の「情報伝達能力」が浮かび上がる。実際、直営店での試行によって、店舗間でeラーニングにばらつきがあることが明らかになった。それは店員の能力差と考えるよりも、店長のマネジメント能力の差と考えたほうが自然であるということだ。

 プロントには店舗を巡回指導するスーパーバイザーが約30人いる。スーパーバイザーは今後、eラーニングで実施率や合格率が低い店舗に対し、店員ではなく店長の情報伝達力を指導し強化していく方針である。

 店内の情報浸透度を高めるため、同時に、店長の補佐役となるベテランのアルバイト店員を「トレーナー」と位置づけ育成することにも力を入れていく。200人以上いるトレーナーを店長同様に本部主催の集合研修に召集し、後輩の育成方法を伝授する予定だ(関連記事)。