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人感センサーが在席状況を検知

 ビルの中に大量に備え付けられたセンサー群や空調,照明,ブラインドが,制御装置を介してIPネットワークにつながるのも新本社ビルの特徴だ。IP化されたことで,機器同士やITシステムとの連携が容易になった。空調や照明,ブラインドは会議室予約サーバーと連動するほか,オフィスのパソコンからも操作可能である。

 センサーは「照度センサー」や「温度センサー」に加え,赤外線を使う「人感センサー」を取り付けた(写真2)。各フロアの天井にある人感センサーは,センサー周辺に人がいるかいないかを判断可能である。人がいなくなれば空調や照明を自動的に止め,電力消費を抑制する。

写真2●赤外線を利用した人感センサーをビル内に設置
写真2●赤外線を利用した人感センサーをビル内に設置
人がいなければ自動的に消灯する。

 他にも,新本社ビルでは,ICカード・リーダー電気錠やネットワーク・スピーカ,IDカードによる出力時のユーザー認証機能付き複合機などがIPネットワークにつながっている。従業員はビル内の任意の複合機からパソコンのデータを印刷可能である。こうすることで複合機の稼働率を上げると同時に,台数を減らし,オフィス・スペースの確保を実現したとする。

無線LANは音声とデータの2系統

 無線LANは共同作業をしやすくするために敷設した。パソコンのデータ通信とN900iLの無線VoIP用に2系統の無線LANアクセス・ポイント(AP)を用意。データ通信用には5GHz帯の周波数を使うIEEE 802.11a対応の無線LAN APを両ビル合わせて100台設置。N900iLの無線VoIP用には,2.4GHz帯を使うIEEE 802.11b対応無線LAN APを両ビルで170台取り付けた。

 無線LAN APの台数は設計時点よりも若干多くなったという。「電波の伝搬をシミュレートしてAPの数を決めたが,備品などがオフィス内に入ってくると,電波状況がだいぶ変わった」(小笠原グループ長)ためだ。特に金属製のキャビネットなどがあると,電波が当初の計算よりも伝搬しなくなることが多かったので,APを追加する必要があった。

 N900iLは一部を除き,NTTドコモとFOMAの契約をしていない,いわゆる“白ロム”端末で,無線IP電話専用機として使う。両ビルのどこにいても内線と外線の発着信が可能。鹿島本社ビルと鹿島赤坂別館でスタッフの行き来が頻繁にあるが,N900iLをまったく同様に使える設定にしてある。呼制御をするSIP(session initiation protocol)サーバーはNEC製の「UNIVERGE SV7000」で,データ・センターで運用している。