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三つのポイント

(1)サーバー集約を進め 性能確保へWANを最適化

(2)国際ネットは事業者を乗り換え 増速しながら通信費を大幅抑制

(3)社内インフラのサービスをカタログ化 システムの費用対効果をアピール

 「担当の営業員から新しいWANサービスの話を聞いて,思わず飛びついた。聞けば,今までとほとんど通信料を変えずにWANの応答性能をもっと高められる可能性がある。サービス開始後できるだけ早く,国内の拠点に導入するつもりだ」──。

 建設・鉱山機械,産業用機械などの大手メーカーとして知られるコマツ。同社は近く,国内の事業所や工場を結ぶWANを切り替える。新たに導入を検討しているのは,KDDIが2009年7月にも開始予定の新サービス「KDDI Wide Area Vir tual Switch」(KDDI WVS)である。

 WVSの特徴は,データ・センター向けの通信に限り,契約上の速度品目とは関係なくアクセス回線の接続インタフェース速度で通信できる点である。まだ運用実績はなく,不明な点が多いサービスだが,「コンセプトは,データ・センターへのサーバー集約を進めているコマツのネットワーク環境としてピッタリだ」(e-KOMATSU推進室テクノロジーグループの田畑健一担当部長)という。

国内各拠点のサーバーを集約

 コマツは国内外に209のグループ会社を抱えるグローバル企業である。2008年3月時点での連結売上高は2兆2430億円,従業員数は連結で3万9267人に上る。情報システムは日本のほか,欧州,米州(南北アメリカ),中国,アジアといった地域ごとにあり,基本的に地域ごとに運用。全体を本社のe-KOMATSU推進室が統括する。国内システムの実際の運用はクオリカなどが担当する。

 同社は2007年に,ワールドワイドでのコスト削減とシステム統制を主目的として,「ITグランドデザイン」を作成。現在は海外を含めてすべての拠点で,このITグランドデザインに則ってシステム/ネットワークの構築・運用を進めている。「運用コストをできるだけ抑え,戦略的な案件に新規投資を集中させる狙い」(田畑担当部長)である。

 その取り組みの代表例が,国際ネットワークを含むWANの最適化と,データ・センターへのサーバー集約である。一口にサーバーと言っても,工場のシステム,設計部門で使うCADシステム,全社のメール・サーバー,部門ごとのファイル・サーバーなど多岐にわたる。これらをすべて個別に導入,運用していると,購入費や運用・保守などの面でムダが多い。

 サーバーを集約して全社のシステム・インフラを標準化すれば,コストを節約し,サーバー運用にかかる手間を減らせる。各拠点からインターネットへの接続ポイントをデータ・センター1カ所に絞り込み,セキュリティ対策を一元的に施せるなど,セキュリティ/内部統制面のメリットもある。

 同社はシステム更新に合わせて随時サーバー集約を進めてきており,日本国内の拠点に関しては,大部分の集約が完了している。「一部は各拠点に残しているが,いずれもデータ・センターからリモートで管理できるようになっている」(田畑担当部長)。