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 通信設備工事大手の日本コムシスは6月11日、パシフィコ横浜(横浜市)で「第5回全国技能競技大会」を開催した。高島元(はじめ)代表取締役社長や上司、同僚など約700人もの観客が見守るなか、同社と協力工事会社の計2500人程度のエンジニアの中から選ばれた74人が参加し、工事作業スキルを競った。

写真1●日本コムシスの「第5回全国技能競技大会」の会場全景。<br>広い会場を4区分し、4種目の競技を同時に実施した。各競技の所要時間は60~120分程度
写真1●日本コムシスの「第5回全国技能競技大会」の会場全景。
広い会場を4区分し、4種目の競技を同時に実施した。各競技の所要時間は60~120分程度
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写真2●審査員が選手にマンツーマンで張り付き、数十項目をチェック
写真2●審査員が選手にマンツーマンで張り付き、数十項目をチェック
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写真3●ビデオカメラを片手に真剣に競技を見守る来場者たち
写真3●ビデオカメラを片手に真剣に競技を見守る来場者たち
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 大会の主目的は、選手の優れた作業を来場した多くのエンジニアに見せることによって、日本コムシスと多数の協力工事会社の作業スキルを底上げすることだ。実際、会場内にはビデオカメラを片手に選手たちの作業の様子を、じっと見入る姿が目立った。自分の作業とどこが違うかを見極めることによって、作業改善のヒントにする。

 また、大会に出場して優勝を目指すという目標ができたおかげで、モチベーションが高まったエンジニアも多いという。励ましの言葉を多数書き込んだ横断幕を用意したり、規定の競技作業が終わった瞬間に選手と仲間が喝采を上げたりするなど、職場のチームワークを高める効果もありそうだ。4種類ある競技種目のうち3種目では作業の品質だけでなく速さも評価の対象となるため、トップで競技を終えた選手の周囲では「やっぱり速いですね。ダントツでしたよ」と誇らしげに先輩を称える声で沸いた。

業界横断型大会への出場も視野

 この大会の競技種目は、毎年少しずつ変更が加えられてきた。今回は初めて、女性エンジニアが男性エンジニアと同じ競技に参加することになった。「お客様の宅内で配線工事をする場合、女性エンジニアに来てほしいという要望が高まっている。しかし、女性だからといって作業の品質や速さが見劣りするわけにはいかない。だから男女の区別なく評価することにした」と、エンジニアの研修を担う末広政雄NTT事業本部アクセスシステム部アクセステクニカルセンタ担当部長は説明する。

写真4●電柱の上での作業を想定した「光アクセス架空設備施工競技」
写真4●電柱の上での作業を想定した「光アクセス架空設備施工競技」
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 今回の4種目の内訳は、「光アクセス地下設備施工競技」「光アクセス架空設備施工競技」「NGNワンストップサービス開通施工競技」「IP設備施工競技」である。最初の3種目はいずれも個人戦であり、それぞれ順に17人、17人、14人が参加した。標準競技時間は種目によって異なり、60~120分である。これら3種目の上位入賞者は7月下旬に開催される通信設備工事業界全体の大会に出場する予定だ。

 例えば「NGNワンストップサービス開通施工競技」は、一般家庭に光ファイバーを引き込み、IP電話、インターネット、テレビ、ビデオゲームを利用できるようにする作業を競う。標準作業時間は60分と他の競技より短いが、家庭内での作業を想定しているため、靴を内履きに替えたり、シートを敷いたりするなど、作業場所を汚さない配慮も求められる。

 一方、「IP設備施工競技」だけは2人1組で競う。今回は13組が参加。「社内競技会まで開催してこの工事のスキルを磨いているのは、業界内でうちだけ」と小林秀雄NTT事業本部ネットワークシステム部ネットワークテクニカルセンタ所長は胸を張る。IP設備施工競技は、NTT局舎の中にある通信設備にルーターを増設する作業を競う。衝撃を与えるなどして稼働中の既存のルーターを故障させたり、自身が感電したりしないよう、細心の注意を払って作業することが欠かせない。所用競技時間は100分である。

 日本コムシスは技能競技大会を始めた2005年に「コムシス式カイゼン」と呼ぶ業務改善活動もスタートさせた。この活動をきっかけに、工事作業の現場では作業方法の改善が活性化。例えば、電柱に上るためのはしごをロープを上手に使って短時間で固定する方法を考案した職場や、洗濯ばさみを使って架空設備施工作業をスピードアップさせた職場などがある。同社では、技能競技大会とコムシス式カイゼンの2本柱で現場力の底上げが進み、売上高利益率が向上した職場が増えているという。