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ライフスタイル分析について説明する菱食の中野勘治・代表取締役社長(2009年7月1日、東京都大田区)
ライフスタイル分析について説明する菱食の中野勘治・代表取締役社長(2009年7月1日、東京都大田区)
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 食品卸大手の菱食は2009年7月1日・2日に開催した取引先向けの商品展示会「2009グランドフェア」で、同社独自の生活者起点型マーケティング「R-WAVE」の分析精度を高められる新施策を明らかにした。R-WAVEとは、菱食の取引先である食品スーパーの商圏内の顧客のライフスタイルを分析し、これに沿った品ぞろえを支援する取り組みを指す。中野勘治・代表取締役社長は「リアルな店舗から得られるデータの分析は既にかなりの精度に達している。これからはバーチャルも組み合わせることで、より正確に生活者の姿をつかむようにしたい」と説明した。

 「バーチャルも組み合わせる」とは、既に活用してきた食品スーパーのPOS(販売時点情報管理)データに加えて、インターネットなど、店舗以外の場で得られるデータを組み合わせる取り組みを指している。具体的には、インターネットを使った調査のノウハウを持つ米ニールセン・カンパニーグループのネットレイティングス(東京都渋谷区)と提携し、菱食が持つ分析ノウハウとの融合を図っていく。

「省力」「アラ還」など新たに4つの生活者像を提示

 データの充実に伴い、分析そのものも着実に進化している。今回のグランドフェアでは、ネットレイティングスとの提携による成果として、4つの生活者クラスター(かたまり)を新たに示した。2008年7月にも、「かしこい節約ママ」など7つの生活者クラスターを発表(関連記事)していたが、基本的な手法を踏襲しつつ分類の仕方に改良を加えた。例えば、従来は生活者像を主婦に限定していたが、今回は単身者なども加えた。さらにネットレイティングスが持つデータを生かして「非来店客」も分析対象に含めた。

 新たに発表した4つの生活者像は「子育て科省力属」「単身科自分投資属」「ゆとり科ペット属」「アラ還科アクティブ属(アラ還=アラウンド還暦、すなわち60歳前後の世代のこと)」である。ネットレイティングスと協力して得た近畿圏に在住する約3700人のデータを、世代、家族構成、好み、購入している商品など多数の因子を踏まえてクラスター分析し、パターンを抽出して提示した。

 こうした生活者像の分布を判定することで、個店ごとの商圏に合った品ぞろえや売り場作りを進めるのが狙いだ。フェア会場では、4つの生活者クラスターに対応する具体的な商品提案例も展示した(写真)。例えば、「単身科自分投資属」向けなら、コラーゲンや雑穀などを含んだ“プチ健康”食品や、カット済みの野菜・肉をパックした「塩焼きそばキット」などを置くよう勧めている。「アラ還科アクティブ属」向けには、素材にこだわった酒や調味料などを取りそろえた。

写真●「単身科自分投資属」向け商品のブース。<br>“プチ健康”食品や、カット済みの野菜・肉をパックした自炊キットなどをそろえている
写真●「単身科自分投資属」向け商品のブース。
“プチ健康”食品や、カット済みの野菜・肉をパックした自炊キットなどをそろえている
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写真●「アラ還科アクティブ属」向け商品のブース。<br>素材にこだわった酒や調味料などが並ぶ
写真●「アラ還科アクティブ属」向け商品のブース。
素材にこだわった酒や調味料などが並ぶ
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 今回のネットレイティングスとの提携は、来店客の動向だけでなく、非来店客にネット調査で尋ねた結果を加味できるようになる点で大きな意味がある。中野社長は「『生活者起点』と言いながら、これまでは来店客だけを分析していた。しかし、本当に生活者のことを知るには、来店しない人のことも理解しなければならない」とその意義を説明する。インターネット調査モニターの中から、該当する食品スーパーの商圏内の居住者を抽出して、好みや他店で購入している商品などを調査していく。こうして得た非来店客のデータから「とにかくすぐに食べられる、“省力”につながる物を求める層」など、来店客からは分からない生活者像が浮かび上がってきたという。