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 ビルのオートメーション事業などを手がける山武は、社外の協力会社を巻き込んでナレッジマネジメントの利用拡大に力を入れている。社内に蓄積されたビルシステム運営のナレッジをパートナー企業にも積極的に公開することで、サービス品質の向上や業務の効率化を目指す。

 1年前の2008年6~8月に、まずはナレッジマネジメントの担当者がパートナー企業を訪問してシステムの利用方法やナレッジマネジメントの意義を説いたところ、2009年7月までに社外利用の登録者数が一気に3000人まで増えた。山武社内には登録者が3800人いるが、2009年4~6月のナレッジマネジメントシステムのアクセス数は前年同期比で1割以上伸びた。

 ナレッジマネジメントに取り組んでいるのは、山武のビルシステムカンパニーである。建物内の空調や熱源、照明、防災などの管理システムを開発・施工する部門だ。この分野は技術領域や導入事例が多岐にわたるため、山武は2004年ごろから社内の技術者やサービス担当者、営業担当者の間で情報を共有できるナレッジマネジメントの仕組み作りに力を入れてきた経緯がある。

 そうして完成したナレッジマネジメントシステムは山武社内のイントラネットだけでなく、インターネットからもアクセスできる。そこで開発当初から、社外の協力会社にも利用してもらおうというアイデアはあった。しかし、ナレッジマネジメントの専任部署であるマーケティング本部コミュニケーションマーケティング部KM推進グループは、まずは社内での利用普及を優先してきたため、結果的には利用の大半は山武社員によるものにとどまっていた。

 その後、4年かけて社内利用が進み、ナレッジマネジメントの有効性が認められるようになると、逆に現場から「パートナー企業にもどんどん使ってもらうと便利だ」という声が上がるようになった。そこで改めて、KM推進グループが2008年夏から全国のパートナー企業を行脚して説明して回り、この1年で社外に広がった。

 ナレッジマネジメントシステムにはトラブル対応に必要なマニュアルや新製品情報など、現場で欠かせない情報まで載せているので、業務効率の向上につながっているという。鎌田一宏・KM推進グループマネージャーは「今後もパートナー企業に広く使っていってもらいたい」と語る。

■変更履歴
本文中2段落目に「アクセス数は前年同期比で約2倍に伸びた」とありましたが、正しくは「アクセス数は前年同期比で1割以上伸びた」でした。お詫びして訂正します。本文は訂正済みです。 [2009/07/23 19:30]