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 日本コカ・コーラ(東京・渋谷)は、消費者が飲料を口にする際の欲求を分析できる「CBL(コンシューマー・ビバレッジ・ランドスケープ)」という独自手法を活用して、ドライブ中に飲まれるコーヒー市場の攻略に乗り出した。2009年6月にドライブ専用ペットボトルコーヒーとして「ジョージア ギア」のブラックとアイスコーヒーを発売、8月にはカフェオレを追加した。容器は車内の飲用を想定して握りやすい「ダブルグリップ」と呼ぶ形状にし、常温でもおいしく飲めるといった特徴を持たせた商品だ。

 同社は2006年8月にCBLを導入した。CBLではまず数千人規模の消費者を対象にしたインターネット調査を実施。1週間に摂取したあらゆる飲料(アルコールや水道水を含む)について、名称や容器、購入・飲用した時間や場所、その時の気分などおよそ100項目をたずねる。これらの質問から消費者は「なぜ」飲んだのかを割り出す。そのなぜを欲求の状態を表す「ニードステート」として19に分類している。ニードステートには「食事との相性」「栄養補給」「自分らしさ」などがある。調査は1年間に複数回行う。

 CBLの調査結果はデータベース化しており、ニードステートや時間帯、場所、年齢層など様々な切り口で分析できる。例えば、「午後8時台」に「20代女性」が「気分転換のために」飲む飲料のシェアといった調べ方もできる。このようにして市場を商品カテゴリーではなく、飲料を口にする時の気分で分析できるのがCBLの特徴である。コカ・コーラグループでは2004年から世界40ヵ国以上で同手法を展開してきた。

 ジョージア ギアを企画したマーケティング本部コーヒー&ジュースカテゴリージョージアグループの島岡芳和シニアマネジャーは「ドライブにおける上位のニードステートを調べたうえで商品を開発した」と認める。例えば、今回発売したジョージア ギアではブラックが「気分転換」のニードステートを、カフェオレはリラックス系のニードステートを意識したものだという。各商品のパッケージにあるイラストやコピーも異なるニードステートを反映している。例えば、ブラックには「FOR REFRESHING DRIVE」、カフェオレには「FOR RELAXING DRIVE」とある。

 日本コカ・コーラは「ノーカロリー コカ・コーラ」を持ちながら2007年に「コカ・コーラ ゼロ」を投入したり、「アクエリアス」商品群に「アクティブダイエット」「フリースタイル」を加えたりしてきた。一見、自社商品同士でのカニバリズム(共食い)を引き起こしそうな新商品にもかかわらずトータルな売り上げは伸ばした。いずれもCBLにおけるニードステートを重視した戦略である。