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佐川急便が新たに導入する「次世代決済端末」と「決済プリンター」。決済プリンターにはクレジットカード読み取り機を内蔵している
佐川急便が新たに導入する「次世代決済端末」と「決済プリンター」。決済プリンターにはクレジットカード読み取り機を内蔵している
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 佐川急便(京都市)は2010年10月から順次、集配業務を担当する「セールスドライバー」が携帯する業務端末を刷新する。「次世代携帯端末」と「決済プリンター」をそれぞれ約2万4000台ずつ導入し、現行の携帯端末「7th-PDT」(セブンス・ピーディーティー、関連記事)から置き換える。顧客へのサービス向上やセールスドライバーの業務負荷の軽減が狙いだ。端末購入費や本部側のシステム構築費を含めた総投資額は約23億円。

 現在、佐川急便のセールスドライバーは7th-PDTのほかに、通話用の携帯電話と、「e-コレクト(クレジットカードによる代金引換サービス)」端末、さらに不在票などの伝票を発行するための小型プリンターの合計4台を携行している。端末の数が多く、持ち歩く負担が大きかった。

 そこで新端末では、現行で4台に分かれる機能を次世代携帯端末と決済プリンターの2台にまとめることにした。7th-PDTと携帯電話の機能をまとめた次世代携帯端末は、NTTドコモ(FOMA)の音声・データ通信機能を持つ。見た目は携帯電話に近く、重量は約180グラムと軽い。2.8インチのタッチパネル付き液晶画面とバーコードリーダーを備える。

 集配データ処理やラベル発行のための独自の業務アプリケーションは、マイクロソフトのスマートフォン用OS(基本ソフト)である「Windows Moblie」で動作する。客先で印字済みの伝票を作成したり、梱包資材を即時に発注したりするアプリケーションを搭載し、サービス向上につなげる。導入後も随時、アプリケーションを追加・自動更新できる。

 一方、決済プリンターは、現行のe-コレクト端末とプリンターを一体化したものだ。次世代携帯端末とはBluetooth(ブルートゥース)無線通信で接続でき、ラベル・伝票の印字に使う。さらに、クレジットカードの読み取り機も内蔵する。例えば、顧客が通信販売で購入した商品をe-コレクトで決済する場合、セールスドライバーは客先で受け取ったクレジットカードを決済プリンターの読み取り装置に通す。なお、現行のe-コレクト端末が備える「QUICpay(クイックペイ)」などの非接触電子マネーでの決済機能は新端末から省いた。

通信の一本化でコスト削減

 新端末で通信費の削減も狙う。決済プリンターからのデータはBluetoothでいったん次世代携帯端末に伝送され、そこからNTTドコモの通信網を通して本部側と接続し、決済処理する。7th-PDTとe-コレクト端末から別々に本部と接続して通信する現行の仕組みに比べて、通信費を大幅に削減できるという。

 宅配便業界は国内市場の成熟化や、民営化した日本郵政グループの日本郵便による攻勢などで競争が激化している。そのため、佐川急便は2005年から「ランニングコスト抑制」と「戦略に合った投資」を目的とした基幹システムの全面刷新を進めてきた(関連記事)。今回の次世代携帯端末の導入は、本部側に新たに構築する「中継システム」を通して、荷物の配達などを管理する基幹システムと接続する。