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 レストランチェーンのサイゼリヤは過去3年、生産・物流コストを毎年10億円以上削減し続けている。2006年から「生産・物流改革プロジェクト」を始め、2007年8月期には10億円、2008年8月期には17億円のコスト削減を達成した。2009年8月期も10億円以上のコストを削減できた模様だ。サイゼリヤは2009年8月期にデリバティブ解約損などの影響で約49億円の最終赤字を計上したが、営業利益は前期比22.2%増の約91億円と好調だった。

 生産・物流改革プロジェクトは、国内外の物流や生産拠点などで100以上の業務改善テーマを設定して取り組んでいるものだ。生産物流部を統括する小島実取締役本部長の下、各工場や在庫管理部、配送管理部、品質保証部などが参画している。

 例えば、物流改革では、工場から店への食材の配送ルートを見直した。サイゼリヤは従来、欧州や豪州から輸入した原材料を国内3カ所の工場に運んで加工し、そこから全国の約800店に直接納入していた。だが生産・物流改革プロジェクトでトラックの積載効率の低さが問題になり、配送方法の変更を検討。長野と名古屋、岡山の3カ所に新たに「積み替え中継地」を設けることにした。

 すると工場から店への直送に比べてトラックの積載効率が向上し、毎日135台のトラックを利用していたのを125台で済ませられるようになり、1日10台の削減に成功した。さらに店から工場への戻り便には原材料を積むなど、運行効率も高めている。

 2008年には、7社の運送業者から燃費や走行距離のデータを取得し、燃費効率の良いドライバーのノウハウを共有したり、省エネ走行についての共同講習を催したりした。こうした取り組みで配送業者の燃費がよくなった。様々な物流改革が奏功し、売上高物流費率はプロジェクト開始前の2006年夏に4.6%だったのが3.2%まで低減できた。

 一方、生産改革は、豪州工場で生産していたハンバーグやホワイトソースなど売り上げ全体の7割を占める14品目のうち、6品目の生産を国内工場に移管した。豪州の気候変動による原材料需給状況や為替変動などをにらみ、一部の品目で生産拠点を見直した。国内工場は死に筋商品の排除などを進めて生産余力を作り出し、豪州からの生産移管に対応した。