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「コスト削減活動推進者」向けに、論理的思考研修やファシリテーション研修など様々なトレーニングを実施
「コスト削減活動推進者」向けに、論理的思考研修やファシリテーション研修など様々なトレーニングを実施
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全社コスト削減活動の事務局を務める鉄道本部鉄道統括部計画課の藤井和之課長補佐(写真右)と柴田淳一主任(写真左)
全社コスト削減活動の事務局を務める鉄道本部鉄道統括部計画課の藤井和之課長補佐(写真右)と柴田淳一主任(写真左)
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 東京地下鉄(東京メトロ、東京都台東区)は多くの部門が一丸となって取り組んできたコスト削減活動をさらに浸透させるため、2009年10月1日から「社内提案制度」を始めた。「職場や業務に隠れたムダなもの・こと」と題し、駅員を含む全従業員から同年11月末日までコスト削減案を募集する。東京メトロは2004年4月の民営化以降に2回、3カ年の中期経営計画を策定してきたが、いずれも全社コスト削減活動を事業戦略の1つと位置付けている。

 株式上場を目指す東京メトロは債務残高を圧縮して財務基盤を強化するとともに、安全・安定輸送を向上させるための設備を整えたり、顧客ニーズをとらえてサービスと利便性を高めたりすることが重要だと考えている。そこで「これらの戦略を実現する原資を生み出すためにコスト削減活動が欠かせないと判断した」と、事務局役を務める鉄道本部鉄道統括部計画課の藤井和之課長補佐は説明する。

 東京メトロはコスト削減を実践する戦術として、2004年度(2005年3月期)から「コスト削減活動推進者」の育成に力を入れてきた。推進者たちはそれぞれ身の回りの職場でコスト削減の芽を見つけ、周囲の人たちの協力を得ながら活動を実行する。複数部門の協力が必要なコスト削減案は「PMT(プロジェクトマネジメントチーム)」と呼ぶ部門横断型チームのメンバーが毎月2回集まって優先度をつけて取り組む。その際、安全・技術部に所属するメンバーが「安全・安定輸送への影響」を、鉄道統括部に所属するメンバーが「サービスや利便性への影響」をそれぞれ検証する。

 単体で8000人を超す従業員がいる東京メトロで、400人程度がコスト削減活動推進者になっている。彼らは論理的思考研修やファシリテーション研修、VE(バリューエンジニアリング)研修を受講し、さらにコスト削減先進企業見学などのトレーニングも受けてきた。営業部や運転部、車両部、工務部、改良建設部、電気部、情報システム部、総務部など多数の部署にいる推進者と、推進者以外の従業員が協力し合うことで、2004年度から2008年度までで約200億円ものコスト削減効果を生み出してきている。

 例えば、鉄道工事会社との契約方式の見直しや、新型車両をほかの鉄道会社と共通仕様で開発してメーカーに一括発注すること、レール締結装置の交換周期の適正化、地上にある地下鉄駅出入り口のガラス構造部分の清掃方法の変更などを実施。それぞれで年間数百万円から数億円以上のコスト削減効果を得た。

 ただし、徹底的にコスト削減活動を続けてきたものの、今までの活動はどちらかといえば本社や事業所の従業員が中心となって動き、駅員までは巻き込み切れていなかった。活動が6年目に入ったことで新たな着眼点も必要になった。そこで、より多くの従業員からコスト削減のアイデアを求めるべく、社内提案制度を始めたのである。鉄道本部鉄道統括部計画課の柴田淳一主任は「提案を募集することで、全社でコスト削減に真剣に取り組んでいることをより多くの従業員に理解してもらう狙いもある」と語る。

■変更履歴
記事公開当初,タイトルが「過去5年で毎年200億円規模のコスト削減」となっていましたが、正しくは「過去5年で200億円規模のコスト削減」です。また、本文4段落目に「2004年度から2008年度まで毎年平均で約200億円ものコスト削減効果」とありましたが、正しくは「2004年度から2008年度までで約200億円ものコスト削減効果」です。以上、訂正してお詫びいたします。本文は修正済みです。 [2009/10/28 21:30]