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ポイントはここ!

●2011年にかけて国内157拠点にバースト通信対応サービスを導入

●トポロジ見直しとWAN高速化装置刷新で欧米やアジア向けの遅延を最小化

 2010年3月までに自社拠点,2010年から2011年にかけては販社やグループ会社を結ぶネットワークを,「バースト通信対応」のWANに更改する──。

 自動車部品最大手のデンソーは2005年,10年越しの目標として「ITビジョン2015」を定めた。常に最新の技術/サービスを積極的に取り込み,「どんな端末からでも,ストレスなく安全に,必要な情報にアクセスできるための基盤を作る」というビジョンだ。

 2010年はちょうどその中間点に当たる。そこで最新の技術・サービスを取り込んだ環境を実現すべく,社内ネットワークの全面刷新に乗り出した。

 強く意識しているのは,システムをデータ・センターに集約したクラウド型が主流になる今後の企業ネットワークの姿。そこで,(1)バースト通信対応WANサービスの導入,(2)海外拠点をつなぐネットワークの見直しといった施策を検討している。

国内150の拠点でバースト導入

 バースト通信対応のサービスというのは,特定のトラフィックに限り,契約帯域を超える量のトラフィックが流れた場合に物理インタフェースの帯域までフルに使えるサービスである。2009年7月にKDDIが始めたレイヤー2接続サービス「KDDI Wide Area Virtual Switch」(WVS),同じく7月にNTTコミュニケーションズがArcstar IP-VPNe-VLANのアクセスメニューに加えた「バーストイーサアクセス」がそれに当たる。

 デンソーのITビジョン2015では,システムやネットワークの品質,信頼性を重視するとともに,「コスト効果を出すことが絶対条件」(小林公英IT企画部標準化推進室主幹)。コスト・パフォーマンスを高められる新技術/サービスを見逃す手はない。

 例えば2007年からは,台数の増加で運用コストが肥大化していたサーバーの集約・統合を進めている。ブレード・サーバーを使って仮想化環境を実現した場合の初期投資,運用コストを厳密に計算し,コストを減らせる点を確認。仮想化ソフトのVMwareを利用して,既に約150台あったサーバーを50台強までに減らした。

 バースト通信対応サービスについても,WVSとバーストイーサの両方を対象に詳細なコストを算定。どちらのサービスでも,現行のネットワークに比べて「確実にコストを3割下げられる」(小林主幹)という結果を得て,本格的に導入を検討することにした。

 同社では販社やグループ会社を含む国内157拠点を,ソフトバンクテレコムの「ULTINA IP-VPN」とKDDIの広域イーサネット「Ether-VPN」を使って接続している。製作所(工場や研究拠点),支社,販売会社やグループ会社といった拠点のカテゴリごとに,性能やコストの面から最適なサービスを選択してきた(図1)。今後,これらのWANをすべてバースト通信対応のサービスに切り替えていく計画だ。

図1●拠点の利用環境に合わせて多数のWAN網を使い分けている<br>製作所(工場や研究拠点)はCADなど容量の大きなデータを扱う場合が多いため,アクセス回線の帯域を太くしている。特に本社と愛知県内の製作所間は地元ケーブルテレビ会社のダーク・ファイバを利用し1Gビット/秒を確保している。
図1●拠点の利用環境に合わせて多数のWAN網を使い分けている
製作所(工場や研究拠点)はCADなど容量の大きなデータを扱う場合が多いため,アクセス回線の帯域を太くしている。特に本社と愛知県内の製作所間は地元ケーブルテレビ会社のダーク・ファイバを利用し1Gビット/秒を確保している。
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