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「改善眼プログラム」で現場での改善活動の様子を発表する昭光機器工業の須藤和弥・業務部手配グループ長(写真右奥)
「改善眼プログラム」で現場での改善活動の様子を発表する昭光機器工業の須藤和弥・業務部手配グループ長(写真右奥)
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 昭和電線グループで非鉄金属材料加工品の製造・販売などを手がける昭光機器工業(神奈川県相模原市)は「材料切断管理ボード」と呼ぶ「かんばん方式」に相当する仕組みの運用を2009年12月に開始した。同年10月から受講中のトヨタ流現場改善の基礎を身に付ける外部研修で得たノウハウを参考にした(関連記事)。

 材料切断管理ボードを導入した目的は、銅やアルミといった非鉄金属の丸棒などを切断する現場に積み上がった仕掛かり品を減らすことだ。それぞれの持ち場の班長が、その日に材料を切断した数量を専用カードに記載して材料切断管理ボードに張り、掲示する。仕掛かり品の量を現場の作業者同士で確認しやすくして、必要量以上に切断するのを防いだ。

 材料が残り少なくなった際には、班長がそのボードに掲示。すると、生産現場を統括するグループ長が発注量をとりまとめて、購買部門へ発注する。従来は、各班の仕掛かり品の量をグループ長が観察しながら発注量を推測していた。しかし、仕掛かり品置き場の2S(整理・整頓)が行き届いていなかったので、目視では数量を正確に把握しづらかった。仕掛かり品がたまっている班の材料を誤って発注したり、逆に在庫がひっ迫している班の材料を直前まで発注し忘れたりという事態もたびたび発生していたという。

 今回の仕組みは、受講中のトヨタグループのコンサルティング会社であるオージェイティー・ソリューションズ(OJTS、名古屋市)が提供する「改善眼プログラム」という研修をヒントにした。同プログラムの講師である浅岡矢八氏に2009年11月に視察に来てもらい、仕掛かり品スペースが無駄に大きい、仕掛かり品の量が適切なのかどうかが全く分からないといった問題点の指摘を受けた。材料の切断や発注のルールを早急に整えるようにも指導された。

 そこで、業務部手配グループの須藤和弥グループ長など研修の受講者3人が中心となって材料切断管理ボードの仕組みを考案。週次ミーティングでグループ長や各班の班長と話し合って運用を開始した。

 運用を始めたばかりということもあって「運用は若干混乱しているところもある」と須藤グループ長は正直に打ち明ける。管理責任者であるグループ長自身が運用ルールを間違えることもあるという。それでも「運用直後から仕掛かり品の量が目に見えて減り始めた」(須藤グループ長)と手応えを得ている。