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エムアイカード店舗本部店舗運営部の町典昭・店舗企画担当長(写真右)と店舗企画担当の池田友紀枝氏(写真左)
エムアイカード店舗本部店舗運営部の町典昭・店舗企画担当長(写真右)と店舗企画担当の池田友紀枝氏(写真左)
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伊勢丹浦和店のカウンターに設置された「MY実行川柳」
伊勢丹浦和店のカウンターに設置された「MY実行川柳」
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 三越伊勢丹ホールディングス傘下で、伊勢丹のクレジットカード事業を手がけるエムアイカード(東京都新宿区)が、2008年4月から従業員同士で褒め合う活動を取り入れ、接客向上に成功している。最繁忙期の2009年12月に実施した接客に関する覆面調査では、200点満点中、当初よりも約10点改善したという。この間、10%台だった従業員の離職率が1ケタ台に改善する効果も生んでいる。

 同社では従業員同士の褒め合い奨励に「褒めあいかーど」を活用。従業員が同僚の接客に見習いたい点を専用カードに書き留め、その同僚に手渡す。各従業員が1カ月に1枚以上、マネジャー級は同10枚以上を手渡すことを目標にしている。カードを手渡す側の気づきや向上心につながり、カードを受け取った従業員は接客への意欲がさらに高まる。

 実は、エムアイカードのカード発行カウンターは、「伊勢丹本体と比較して接客が劣る」との指摘を顧客などから長年受けてきたという。ショッピングの接客とは異なり、事務的な応対になりがちなハンデがあるとはいえ、「接客レベルを高める行動指針が欠かせない」(店舗本部の町典昭・店舗運営部店舗企画担当長係長)と同社は判断した。接客品質の高さで定評のあるリッツ・カールトンや、ディズニーランドなどの施策を参考にしながら行動指針を策定し、実践する手段の1つとして褒めあいかーどを開始した。

現場では川柳など独自の工夫で活動を盛り上げる

 同社では優秀な活動を半期に1回、表彰も行っている。それに呼応して、現場で褒めあいかーどに記入できるような優れた接客を生み出そうと現場から工夫も生まれている。例えば伊勢丹浦和店(さいたま市)のカウンター担当者は2009年12月、接客上のポイントを記した「MY実行川柳」を作成した。

 「皆さまに目を見て伝える『ありがとう』」――。こういった顧客を出迎える姿勢に注目したものや、笑顔で接する大切さを記した川柳だ。店舗を統括する担当長以下27人全員が作成に参加し、川柳の内容を意識して接客に取り組むようにしている。同店を統括する店舗本部の篠崎博司・店舗運営部浦和担当長係長は「川柳は現場から寄せられたアイデア。褒めあいカードに記入できることを見つけやすくする効果がある」と説明する。

 同店は2010年1月から、各従業員が作成した川柳を朝礼で毎日1首ずつ読み上げ、その日に力を入れるべき点を相互に確認しあうなど、活動の幅を広げた。「カード業務のカウンターから前に出て、お客様を応対する姿勢が身に付いてきた」(篠崎係長)と手応えも感じている。

 改善活動は、従業員一人ひとりがマンネリに陥らないよう、細かい工夫を重ねることが継続の秘訣。こうした現場発の知恵も覆面調査での点数上昇を支えている。