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ポイントはここ!

●国際競争を勝ち抜くための基盤として国際WANの運用が必須に

●グループ全体のネットワーク・セキュリティ基準を統一

 石油化学や基礎化学,医薬品など,各種化学製品の製造を手掛ける住友化学は,世界各国に販売や製造の拠点を持つグローバル企業である。その住友化学が2009年6月,31社の海外子会社や関連会社のうち主要な16社を結ぶグローバルな広域網「ScGnet」(住友化学グローバル・ネットワーク)を完成させた(図1)。接続拠点数は28カ所に及ぶ。

図1●住友化学のグローバル・ネットワーク<br>これまで拠点ごとに独立していたネットワークをAT&TのEVPNで統一した。VPN環境やファイアウォールもAT&Tを利用している。図には記載していないが,各拠点からはさらに地域拠点を結ぶネットワークがある。
図1●住友化学のグローバル・ネットワーク
これまで拠点ごとに独立していたネットワークをAT&TのEVPNで統一した。VPN環境やファイアウォールもAT&Tを利用している。図には記載していないが,各拠点からはさらに地域拠点を結ぶネットワークがある。
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 バックボーンの回線には,米AT&TのIP-VPN網「EVPN」を利用。各拠点からのアクセス回線は1M~6Mビット/秒である。同時にAT&TのVIG(Virtual Interface Gateway)サービスを契約し,EVPNにインターネットへの接続口を用意。小規模な拠点や出張中の社員がインターネット経由でScGnetに接続できるようにした。

 今回のネットワークの構築によって「グループ内でバラバラだったセキュリティ基準を統一し,ネットワークを相互運用できる土台が整った」(住友化学 技術・経営企画室(経営情報システム)の石坪光司主席部員)。

グローバルの一体経営方針が契機

 住友化学がScGnet構築を計画したのは,2007年のことだ。きっかけは,会社がグループ全体の方針として,グローバルでの一体経営を明確に打ち出したことである。

 化学業界では,欧米の巨大企業が圧倒的な力を持つ。最近はさらに,再編やアライアンスを通じて競争力を強化し,アジアへも積極的に進出してきている。住友化学は,こうした企業に対抗していかなければならない。

 そのためには,意思決定の迅速化やインフラの共通化によるコスト削減といった取り組みが欠かせない。グループ全体のセキュリティを強化し,ガバナンスを確保することも重要である。統一的なポリシーを設け,そのうえで情報共有のための基盤整備やシステム集約を進めなければならない。

 ところが住友化学グループには,海外拠点を統一的に結ぶネットワークはなかった。「海外子会社や関連会社が個別にインターネットに接続していた。拠点間接続もそれぞれの会社が必要に応じて個別にネットワークを構築していた」(石坪主席部員)。これでは投資効率が悪いうえ,ネットワーク・セキュリティのレベルも統一できない。そこで,ScGnetを検討することになった。

国際保守力で米AT&Tを選択

 ScGnetを構築するに当たって,住友化学は複数の通信事業者のサービスを比較検討した。結果として選んだのがAT&Tのサービスだった。

 AT&Tを選んだ理由は,大きく二つある。一つは,住友化学グループの拠点がある地域の多くにAT&Tの拠点があり,障害対応窓口を一本化できること。米AT&TとAT&Tジャパンの両方に窓口を設置し,どちらからも対応してもらえるようにした。「日本の通信事業者の場合,地域によってはサポートをパートナに任せていて,迅速な対応に不安が残った」(石坪主席部員)。

 二つめの理由は,AT&Tジャパンを通じてワンストップで料金を支払えること。足回りとして使っている海外の回線事業者の回線を含め,すべてAT&Tジャパンがまとめて住友化学に請求する。ほかの通信事業者では,国ごとに請求が発生する場合があり,経理上不便だったという。