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 中古車買い取り・販売のガリバーインターナショナルの羽鳥兼市代表取締役会長は、2年以内に約1200人の営業職のうち3分の2を、2009年から設けた小売り重視の担当職に転換していく考えであることを明らかにした。2010年5月現在で小売り重視の担当職に就いているのは営業職全体の2割弱に当たる200人強で、残りの8割強は主に買い取り業務を行っている。今後は小売り重視の営業体制に移行する。

 もともと同社は中古車を買い取ってすぐに業者間オークションに出す事業で創業し、営業担当者の仕事は買い取りだけだった。2008年4月に中古車小売り事業を開始して以降は、店舗に常駐したまま買い取り目的で店舗を訪れた顧客に中古車の買い替えを勧めるスタイルで営業してきた。

 従来の営業職は「SP」と呼ばれ、このように中古車の買い取りと、小売りの両方を兼任している。しかし小売りのほうが利益率が高いうえ、店舗で成約しなかった顧客をきちんとフォローしたり、既存顧客からの紹介を生かしたりできる体制の必要性から、2009年3月に小売り重視の営業職「SP-PRO」を設置し、SPからベテラン中心に12人を抜てきした。独自の評価・報酬体系を整え、SPに比べて基本給を厚くして目先の成約にとらわれず顧客と長期的な関係を構築できるようにした。買い取り業務を行うことも許されているが、小売りの成約のほうが買い取り成約よりも成果報酬が多いうえ、月間の買い取り成約数には上限が定められているので、実態はほぼ小売り専任の営業職だといえる。

 2009年3月に選抜したSP-PROの“第1期生”は、定期的なミーティングでノウハウを共有し、マニュアルや、顧客情報の管理シートを制作。2009年11月にはさらに100人がSP-PROに加わった。「1人当たりの売り上げ貢献度ではSP-PROは従来のSPを下回るが、小売り商談の成約率は7割と従来のSPの4割を大きく上回る」と羽鳥兼市代表取締役会長は説明する。こうした成果を受けて、2010年4月にSP-PROをさらに100人増やした。

認知度向上策や展示の工夫も講じる

 同社はSP-PRO増員のほかにも小売り事業の強化策を講じている。例えば2010年5月から元西武ライオンズ監督の東尾修氏とプロゴルファーの東尾理子氏が出演するテレビCMを開始。小売り事業の認知度アップを図っている。

2010年5月に開始した新テレビCM。元西武ライオンズ監督の東尾修氏とプロゴルファーの東尾理子氏が「中古の価値」をアピール
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 店舗では地域ごとに人気のある車種を集めて展示する工夫を始めた。メーカー横断で同じタイプの車種を集めて比較展示する。例えば関西の店舗では、「黒セダン」や「スライドドアのミニバン」などの車種を集めて展示しているという。

 この2年間、同社では小売り事業の販売台数は倍増した。中古車市場全体はエコカー減税の影響で低迷しており、2011年2月期については減収・経常減益の業績予想を出している。しかしこの減税措置が終わる見込みである2010年秋からは、小売り事業が伸びるはずだと羽鳥会長は期待をかけている。