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 富士通ビジネスシステム(FJB)は、部長クラスのマネジャーを対象に、カナダの著名な経営学者、ヘンリー・ミンツバーグ氏の手法に基づく「コーチング・アワセルブズ」と呼ぶ研修を全社規模で実施し、ミドルの意識改革を進めている。2010年6月現在実施中の第3期を終えると、管理職全体の2割に当たる120人が受講した勘定になる。

 ミンツバーグ氏は『マネジャーの仕事』(白桃書房)、『H.ミンツバーグ経営論』(ダイヤモンド社)、『MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方』(日経BP社)などの著書でも知られる経営学者。マネジャーは「自分を知る」「組織を知る」「視野を広げる」「人を知る」「変革を進める」という5つのマインドセットを身につけるべきである、と主張している。

 FJBが実施中のコーチング・アワセルブズは、このミンツバーグ氏のノウハウを導入して人事コンサルティング会社のジェイフィール(東京都渋谷区)が提供している研修メニュー。部長同士が自分のマネジメントスタイルを振り返る「内省」に重きを置いている。過去の経験などを思い出しながら部長同士に話し合ってもらう。部長ならではの悩みを共有してもらうことでモチベーションを高め、同時に、組織の壁を取り払うことも狙う。

 「多くの仕事を抱えるマネジャーは、まとまった時間を取って内省する機会をなかなか持てない。誰かと話すことで講義内容や気づきが記憶に残りやすくなり、部門間の壁を取り払う機会にもなる」とFJBで人事を管掌する飯島健太郎執行役員常務は話す。飯島常務は富士通の人事部所属だった1990年代にミンツバーグ氏の下に留学してコーチング・アワセルブズを経験したことがあり、2009年からFJBにこの研修を導入した。

 FJBでは、2009年から半年ごとにおよそ10人ずつ受講してもらっている。75分のミーティングを週に一度のペースで、30回開催する。2010年6月現在で3期目を迎えた。東京、大阪、名古屋、九州の4拠点で、それぞれ10人前後の30~40代前半の若手の部長が受講している。3期目の今回は富士通からの出向者も参加している。

 毎回「自分のマネジメントスタイルを知る」「内省」「リーダーシップ」といったテーマに沿って、ジェイフィールの講師による講義を聞き、その合間に3人ずつのチームに分かれてグループ・ディスカッションを数回行う。ディスカッション内容は飯島常務や人事担当者なども離れた席で聞くことがあるが、議論された内容や発言は一切人事評価に反映しないことを参加者に約束している。基本的に朝8時半から9時45分までのセッションだが、1~2カ月に一度は夕方開催し懇親会も開く。第1~第3期の出席率は平均95%という。